2021.10.12

CARS

F1の技術が活きる メルセデスAMG史上最強のハイブリッド、GT63 S Eパフォーマンス【ミュンヘン・ショー2021】

メルセデスAMGが、F1譲りのテクノロジーを用いた高性能プラグイン・ハイブリッド・システムを積む、「GT63 S・4ドア・クーペEパフォーマンス」を、2021年9月に開催されたミュンヘン・モーターショーで発表した。

4リッターV8ツインターボとモーターを搭載

パワートレインは、9段ATを持つ4.0リッターV8ツインターボと電気式2速ギアボックスを備えるモーターを組み合わせたハイブリッド。モーターはエンジン直下ではなく、2段変速機と電子制御リミテッド・スリップ・デファレンシャルとともに一体化されて、リア・アクスルに配置されている。





ランボルギーニやマクラーレンと同等の加速性能

V8エンジンはこれまでのハイブリッドを持たないGT63 Sと同じユニットで、最高出力は639ps、最大トルクは900Nmを発生。モーターの出力は204ps/320Nmで、システム全体では843ps/1010-1470Nm(変速段数によって異なる)。AMGの量産モデルとしては最強の出力を発揮する。0-100km/h加速はランボルギーニ・アヴェンタドールSやマクラーレン720Sと同タイムの2.9秒、最高速度は316km/hを誇る。

リア配置モーターの採用は前後重量配分を最適化するのはもちろん、後輪へダイレクトに駆動力を与えることを可能にする。リア・モーターは後輪を駆動するだけでなく、後輪がスリップした際にはその駆動力を前輪へも伝達する。

メルセデスAMGのF1マシンから技術を応用したバッテリーはリアに搭載。容量は6.1kWhで、充電はリア・バンパ―のソケットから行える。モーターのみのEV走行も可能で、その時の最高速度は140km/h、航続距離は12kmとなっている。これだけのハイパワー・モデルでありながら、11.6km/リッターの好燃費をマークするという。





クーペ譲りのフロント・フェイス

エクステリアは、AMG・GTの2ドア・クーペ版をもとにデザインされたフロント・バンパーを装着。左右のエア・インテークが拡大され、冷却のためにホイールアーチへエアフローを導く縦フィンを3枚設置。また、「Eパフォーマンス」のバッジがフロント・フェンダーに取り付けられている。ホイール・サイズは20インチと21インチを設定。ブレーキはカーボンセラミック・ディスクで、キャリパーはフロントが固定式の6ポット、リアがフローティング式1ポットだ。

このGT63 Sを皮切りに、AMGは高性能ハイブリッドのシリーズとして、Eパフォーマンスを展開していく予定だという。





文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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