迫力のある巨大ボディ、6.2リッターV8、贅沢な内装。キング・オブ・アメリカンSUV、キャデラック・エスカレードは大幅に進化していた。圧倒的な巨漢SUVに、エンジン編集部の荒井記者が試乗!
目の前にドーンとそびえ立つ大迫力の存在感
東京・品川のGMジャパンで新型キャデラック・エスカレードを見たときに、その大きさにちょっとたじろいだ。ボディもグリルも真っ黒で、目の前にドーンとそびえ立っている姿は映画『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーを彷彿させ、威圧感がすごいのである。

ドアを開けると、シュッと出てくるステップに足をかけヨイショと運転席によじ登る。
ダッシュボード中央に大きなモニターを備え、ウッドを多用したインテリアはモダンかつ豪華な印象だ。XT4、CT5などここのところ上陸したキャデラックは、インテリアのクオリティが本当に良くなったと思う。よく見たら、モニター画面はドライバーに向けて湾曲している。とても凝った作りに感心した。
助手席を遠くに隔てている太いセンター・トンネルに施されたウッド・パネルやレザーなどが、高級で特別なクルマであることを主張している。室内もめちゃくちゃ広い。2-2-3の7人乗りで、ドライバーが3列目の人に声をかけるには大声を出さなければならないだろう。


6.2リッターV8を目覚めさせ、編集部まで都内の一般道を行く。走り出してオオッ! と思ったのは、乗り心地だ。先代は姿こそすごくモダンだったけれど、トラックのような荒っぽい乗り味が顔を出すことがあった。ところが、新型は乗用車のように滑らかで気持ちがいい。
驚くほどの進化はリアが独立懸架になったことと、減衰力を調整するマグネティック・ライド・コントロールや新開発のアダプティブ・エアライド・サスペンションなど、電子制御技術の賜物だろう。
「よく停められましたね」
新潮社駐車場に停めてあるエスカレードを見た編集部員が次々に言う。
建物の裏にある駐車場はアプローチが狭く、大型SUVには向いていないからだ。それでもそんなに苦労しなかったのは、予想以上にタイヤの切れ角が大きいことや、アイポイントが高く、ボディがスクウェアだからだろう。モニター画面に表示されるクルマを上から見た鳥瞰(ちょうかん)図も駐車には便利だ。
とはいえ、全長5400mm、全幅2065mm、全高1930mm。巨大な黒い岩がドン!
とそこにある感じだ。車検証に記載された車重はなんと2740kgだった。
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