ニューヨークの伝説のバーテンダーのもとで修業　「フォーシーズンズホテル」ヘッドバーテンダーがつくる独創的カクテルを味わう！

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フォーシーズンズホテル東京大手町「VIRTU」のヘッドバーテンダーを務めるジョシュア・ペレズさん。

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「フォーシーズンズホテル東京大手町」の最上階にあるバーでシェイカーを振るジョシュア・ペレズさん。日本をこよなく愛する彼がつくった、ニューヨーク仕込みのカクテルを試してみた。

コロナ禍の2020年に来日を決意

緊急事態宣言の解除を受けて10月に再オープンしたフォーシーズンズホテル東京大手町、39階のバー「VIRTU（ヴェルテュ）」。ビジネス街の美しい夜景を見下ろす、この最上階のバーで、数々の独創的なカクテルを手掛けているのがアメリカ・ユタ州出身のジョシュア・ペレズさんだ。長らくニューヨークを拠点としてきたジョシュアさんは、「ブッカー・アンド・ダックス」のデイヴ・アーノルドや「フェザーウェイト」のサーシャ・ペトラスキーといった伝説のバーテンダーのもとで修業を積んできた強者。コロナ禍の2020年に「VIRTU」のヘッドバーテンダーに抜擢され来日した。そのジョシュアさんが、バーの再オープンにあわせた秋のカクテルをチームと共に考案。さっそく試しに出かけてみた。

トマト焼酎ベースの『赤ラ・トマト』。2783円

最初に頼んだのは、オリーブと一緒に薄切りのキュウリが添えられたトマト焼酎ベースのカクテル。『赤ラ・トマト』と可愛らしい名前がつけられているが、飲んだ瞬間、目が覚めるような味に驚いた。少量の塩胡椒とホットソースのアクセントが効いたその味は、まったく甘さがなく、スパイシーでピリリとした辛みがあったのである。それでいてライムの爽やかな香りがするので、全体的な印象は不思議なほどマイルド。のど越しが心地よく、ついゴクゴクと飲んでしまいたくなる。

ワインベースの「フォーチュネラスプリッツ」。3163円

次に試したのが「フォーチュネラスプリッツ」。フランスのアペリティフ・ワイン「リレ・ブラン」に、金柑とオレンジ・リキュール、仕上げにシャンパンを使ったカクテルだ。こちらはグラスに添えられたローズマリーがアクセントになっており、ハーブの香りが、トリュフ風味のポテトといったバーの料理にマッチする。

「ウィスキー・モンジョン」は甘みのあるオールドファッション・カクテル。3163円

「ウィスキー・モンジョン」は甘みのあるオールドファッション・カクテル。3163円

そしてジョシュアさんが個人的にこだわっているのが日本のウィスキーだ。「ウィスキー・モンジョン」は、シングルモルト・ウイスキーの山崎に、ブランデー・ベースのリキュール、ベネディクティン、さらにシェリー酒をかけあわせたカクテル。上品な甘みが特徴的で、ビター・チョコレートとあわせてみたい。

北海道でウィスキー・コンサルタントの経験も

近年のカクテル界では、ミクソロジーと呼ばれる、遠心分離機を使って透明なジュースを抽出したり、液体窒素を利用して材料を氷結させたりするような、斬新なオリジナル・カクテルが数多く誕生している。だが、ジョシュアさんのつくるカクテルは意外性がありながらもオーソドックスで、大人の男性でも安心して飲める、というのが今回、受けた印象だ。

サワーカクテルの「ルヴェルジェ」。フランスと日本のブランデーをブレンドし、グレープフルーツとライムのジュースを加え、アプリコット・リキュールで甘みをつけた。2783円

サワーカクテルの「ルヴェルジェ」。フランスと日本のブランデーをブレンドし、グレープフルーツとライムのジュースを加え、アプリコット・リキュールで甘みをつけた。2783円

「ずっと日本で暮らしたいと思っていましたので、このお話をもらった時は本当に嬉しかった。コロナ禍の大変な時期に重なってしまいましたが、迷いはありませんでしたね」と、話すジョシュアさん。ご本人は「まだまだです」と謙遜しながらも、日本語は流暢だ。実は学生時代に1年半、東京で過ごした経験があり、その後もスキーを楽しむために北海道を訪れながら、地元のウィスキー・バーでコンサルタントを務めていたという。そんな日本大好きなジョシュアさんがつくり出す温かい空間も、彼が手掛けるカクテルと同様に魅力的である。

大学在学中にナイトクラブで働いた経験からスピリッツの世界に足を踏み入れたジョシュアさん。卒業後、ニュージーランドやハワイに移住した経験もある。