クルマの常識を超えたクルマ！　究極のドライバーズ・カー、ロールス・ロイス・ゴーストに試乗！！

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今回、改めて試乗車を借りて、都内から千葉の富津までをドライバーズ・シートと後席を乗り換えながら往復し、この新型ゴーストの走りはロールス・ロイスの超高級4ドア・サルーンの新たな地平を切り開くものだと確信した。というのも、ピクニック・テーブルにタッチ・スクリーン・モニター、さらにはシャンパーニュを冷やすクーラー・ボックスまで備えられた後席でくつろいでいるよりも、自らステアリング・ホイールを握っている時の方が断然楽しくて、いつまでもドライバーズ・シートにいたいと心底思ったからだ。

エアサスを使った足には、可変ダンパーに加えてアッパーウィッシュボーンを支える、いわばダンパーのダンパーまで付けられているとか、車内を完璧に無音にすることも出来るが、そうするとかえって落ち着かない空間になるため、わずかに「ささやき」が聞こえるようなサウンド・チューニングが施されているとか、ディテールを見ていったらキリがないくらいに数多くの高度な技術が惜しげもなく投入されているのだろう。だが、本当に驚異的なのは、それらの技術がなんら声高な主張をすることなく、すべて黒子に徹して自然な乗り味の中に溶け込んでいることだ。

あの極太ステアリングに象徴される、これ見よがしのギミックを付けたがるBMWが、いざロールス・ロイスを開発するとなると、なぜこんなに奥ゆかしいやり方ができるのか謎だが、そのおかげで、この従来の高級サルーンの常識を打ち破る究極のドライバーズ・カーが誕生したのだから、すべて良しとすべきだろう。

文＝村上政（ENGINE編集長）　写真＝柏田芳敬

■ロールス・ロイス・ゴースト
駆動方式　エンジン・フロント縦置き4WD
全長×全幅×全高　5545×2000×1570mm
ホイールベース　3295mm
車両重量（試乗車）　2560kg（前軸 1350kg、後軸 1210kg）
エンジン形式　直噴V型12 気筒DOHC ツインターボ
排気量　6748cc
最高出力　571ps/5000rpm
最大トルク　850Nm/1600-4250rpm
トランスミッション　8段AT
サスペンション（前）　ダブルウィッシュボーン/エアスプリング
サスペンション（後）　マルチリンク/エアスプリング
ブレーキ（前後）　通気冷却式ディスク
タイヤ（試乗車）　（前）255/40R21（後）285/35R21
トランク容量　570リッター
車両本体価格（税込み）　3590万円～

（ENGINE2021年11月号）

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