2021.11.06

CARS

俳優の國村隼さんを刺激してやまないクルマたちとは? エンジンが大好き!


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そんなとき、当時本誌の編集長だった鈴木正文氏に出会った。

「エンジンにナロー・ポルシェの記事があって、ミツワの御殿場デポに行きたいと言ったら、“いつでも紹介しますよ、一緒に行きましょう!”と、快諾していただいたんです」

國村さんはそこで1969年型ポルシェ911Sを購入する。

「完璧なフォルムだと思うクルマが2台あって、ひとつは今日撮影したA110なんですけど、もう1台はナローなんです。356をシェイプアップしたようなナローのフォルムは見事でしょう? ルーフ・ラインのなんと美しいこと」

初めての空冷フラット6も印象的だったという。

「ケツから蹴られるような、エンジンに乗っかっているような感じが新鮮でした。一度だけ1速で6000まで回したんですけど、ロケット・スタートだった。ビックリしました」

ナローに続き356も手にし、國村さんはクラシック・ポルシェ2台持ちになった。

「さすがにこの2台だと仕事行くときも駐車場を気にしたりしないといけないので、356を手放して現行型のアルピーヌA110を購入しました。コーナリングが楽しいということを、A110で初めて知りました。交差点のカドを曲がるだけで気持ちいいクルマなんて初めてです」



國村さんにとってクルマとはなんですか?

「子供の頃からずっと続く憧れであり、自分にとっての一番好きなおもちゃですかね。とりわけ、ナローとA110は特別です。A110はデザインに憧れました。今日、無理を言ってA110を用意していただいたのも、自分のなかの根っこだと思えるクルマだからです」

取材を終え後片付けをしていると、椅子に座ってA110をじっと見つめている國村さんがいた。まるで映画のワン・シーンのようだ。いつものように背中で語っていた。もちろん、誰かの役ではなく、ひとりのクルマ好きな男の人生を。



國村隼
1955年生まれ。1981年、『ガキ帝国』(井筒和幸監督)で映画デビュー。海外作品への出演も多く9月23日公開『MINAMATA-ミナマタ-』(ジョニ-・デップ製作/主演)、Netflix『KATE(原題)』などが控えている。韓国映画『哭声/コクソン』では青龍映画賞男優助演賞と人気スタ-賞、「2016 APAN STAR AWARDS」の特別俳優賞も受賞。現在、昭和のクルマをテーマにした『昭和のクルマといつまでも』(BS朝日)ではナレーションを務めている。



ALPINE A110 1300VC
アルピーヌA110は1963年デビュー。自らもステアリングを握り、レースに出場していたアルピーヌ創設者、ジャン・レデールが軽合金製チューブのバックボーン・フレームにFRP製ボディを乗せたRRのスポーツカーとして開発した。1966年からはエンジンにチューンの魔術師と言われたゴルディーニの手が加わった。空力に優れた軽量ボディとゴルディーニ・マジックによりラリー界を席巻し、1973年初代WRCマニュファクチャラー・チャンピオンの栄誉に輝いた。撮影日も快音を轟かせていた。

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文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=筒井義昭 スタイリング=藤井享子

(ENGINE2021年9・10月号)

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