2021.11.21

CARS

電気で走るフィアット500 プロダクション・モデル1号車が日本に上陸!


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この500evをプロデュースしたのはチンクエチェント博物館。愛知県名古屋市にある主に2代目フィアット500を展示、保管する私設ミュージアムである。同館が伊シチリアにあるニュートロン社の電動化システムを用い、トリノのカロッツェリア、オフィチーネ・ジェンティーレの協力で、カスタマイズと足まわりなどを中心に、大量の新品部品を用いたレストレーションを行い、輸入、販売をする。500evはホモロゲーションを取得しており、ナンバー・プレートが取得できる、公道走行が可能な車両だ。販売店は東京のガレーヂ伊太利屋をはじめ岐阜・京都にもあり、全国11カ所の専門店のサポートも受けられるという。



今回のクリーム・イエローの500evはプロダクション・モデルの1号車。博物館がお薦めのベース車両やオプションも多数あるが、いわば500evは一品もののオートクチュールであり、外装色や内装材はもちろん、左右ハンドルの位置やキャンバス・トップの種類や有無(スティール・ルーフや開口部の広い初期のトップの仕様も選択可能)まで、なんでも自由自在にオーダーできる。

面白いのは500evがオートマチック限定免許でも運転が可能なこと。オリジナル・フィアット500のクラッチ・ペダルがそのまま残っており、発進時だけクラッチを踏み、シフト・レバーを操作しギアを入れる必要はあるが、走行中のギア・チェンジは不要で、最初から3速に入れておけばほとんどの速度域をカバーするという。フロントに重いバッテリーが加わったことで、オリジナルに比べ直進性は上々なのだとか。



年間50台ほどガソリン・エンジンのフィアット500のレストレーションも行う同館によれば、もはやイタリアの文化遺産であり、時には人々の大切な家族や友人やペットのようなものであり、MoMA(ニューヨーク近代美術館)に永久所蔵されるような、いわば動くモダン・アートでもあるフィアット500を、後世に残す手段の1つとして、スタートしたプロジェクトなのだという。



文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=チンクエチェント博物館

(ENGINE2021年12月号)


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