まるで小さなSクラスだ！　新型メルセデス・ベンツCクラスに箱根で試乗！！

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一番気になったのはブレーキ・フィールだ。回生も積極的に行なっているためなのだろうか、フニャとした踏み心地で、最初はまるで効かない感じがして、ちょっとドキッとした。もちろん、しっかりと踏み込んでいけば、間違いなく良く効くメルセデスならではのブレーキなのだが、それにしても、もう少しきめ細かいタッチにできないものだろうか。

もうひとつ、強い違和感を感じたのは、そもそもがステアリング・レシオが約10％クイックになったのに加えて、リア・アクスル・ステアリングも装着されていることにより、思っている以上に初期のステアリング操作に対するクルマの動きが急になったハンドリングだ。乗り始めた時には、コーナリング時に思った以上にクルマが曲がってしまう感じがして、いささか戸惑った。時速60kmまでは逆位相に最大2.5度、それ以上の高速域では走行安定性向上のために同位相で最大2.5度、さらにドライビング・ダイナミクスの向上のためには、状況に応じて両位相に最大2.5度操舵するようになっているリア・アクスル・ステアリングは、Uターン時などには信じられないくらいに小回りが利いて有難いが、普通のコーナリング時にリアをあまり動かすと、Cクラスのようなホイールベースの長さでは、ピーキーになってしまうのではないか。

いや、こんな感想を私のような者が言っては、メルセデス・ベンツのベテラン・エンジニアたちに対して失礼千万というべきだろう。しかし、この新型Cクラスに乗って私が思い出したのは、ある日本のベテラン・ジャーナリストの「メルセデスといえども、すべて完璧に仕上げて出せるわけではない。1年待てということだよ」という言葉だった。先代Cクラスにマイルド・ハイブリッドが初導入された時のことだ。今回も1年後には変わっていると信じたい。

文＝村上政（ENGINE編集長）　写真＝柏田芳敬

■メルセデス・ベンツC200アバンギャルドAMG ライン
駆動方式　エンジン・フロント縦置き後輪駆動
全長×全幅×全高　4785×1820×1435mm
ホイールベース　2865mm
トレッド（前／後）　1590／1575mm
車両重量（車検証）　1700kg（前軸900kg：後軸800kg）
エンジン形式　直噴直列4気筒DOHCターボ
排気量　1494cc
ボア×ストローク　78.0×78.2mm
最高出力　204ps/5800-6100rpm
最大トルク　300Nm/1600-4500rpm
トランスミッション　デュアルクラッチ式9段AT
サスペンション（前後）　マルチリンク/コイル
ブレーキ（前後）　通気冷却式ディスク
タイヤ　（前）225/45R18（後）245/40R18
車両本体価格（税込み）　654万円＋32万6000円（AMGライン）

（ENGINE2021年12月号）

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