2022.05.15

CARS

どこにもユルいところがなく精緻に組まれたエンジンが、こんなにも気持ち良く回るなんて!! 991後期型ポルシェ911GT3の凄さとは【ENGINEアーカイブス:ポルシェ911】

991後期型ポルシェ911 GT3

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マイナーチェンジだから当然といえば当然だが、新型GT3の外観は先代と極めてよく似ている。違いは新たに採用された軽量なポリウレタン製の前後バンパーまわりとウイング部分の形状に限られる。まず、フロントにはより大型のエア・インテークが設けられた。とりわけ印象的なのは、左右の黒いサイド・エア・ブレードで、鋭く空気を切り裂くような形状をしている。ヘッドライトはバイキセノンが標準だが、写真の個体にはオプションのLEDタイプが装着されていた。



なによりもリアで目を引くのは巨大なウイングだ。形状は先代と同じだが、20mm高くなり、10mm後ろに下げられた。ウイングの下にはふたつの黒いラムエアスクープが設けられ、そこから入った空気はリアのスロットから排出される。ウイングとリア・リッドはカーボン製。そのほかアンダー・ボディ・パネルにも工夫をこらすなどした結果、ダウンフォースは先代比20%増えているという。

リア・リッドの下に収まる4リッター自然吸気フラット6は、レーシング・カーのGT3Rに由来し、GT3カップカーでも使われているユニットと基本的にまったく同じだという。ただし、触媒が付けられた排気管やフラップが設けられたエア・インテークの形状などはレーシング・カーとは違ったものになる。同じ4リッターでも991前期型GT3RSのレヴ・リミットが8750rpmだったのに対し、新エンジンは9000rpmになっている。これは、これまでも使われてきたチタン製コンロッドや独立したオイルタンクによるドライサンプ潤滑方式を踏襲しているのに加えて、新たにロッカーアームの油圧バランシング・エレメントを使わない、リジッド・バルブ・コントロールを採用したり、クランクシャフト内部にオイルを通してコンロッドのベアリングにオイルを吐出するシステムを取り入れたことなどで可能になった。オイルの必要流量は大幅に減らされており、これまで毎分120リッターだったものが70リッターで済むようになっているという。圧縮比は13・3対1で、先代比25ps増の500psを8250rpmで発生する。



先にも触れたように、トランスミッションは先代と同じ7段PDKに加えて、無償オプションとして6段マニュアルを選べるようになった。ギアボックスはゲトラグ製で、911Rで開発したものにさらに手が加えてある。911Rではシングルマスだったフライホイールはダブルマスに変更さている。6段MTには、PDKの電子制御リア・ディファレンシャルとは違い、ロック率が駆動時30%非駆動時37%の機械式ディファレンシャルが組み合わされる。

シャシーは基本的に先代のものを踏襲しており、リア・アクスル・ステアも装備されている。

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