2021.12.01

WATCHES

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スタイルのある時計が欲しい! BREGUET(ブレゲ)篇

クルマは移動の手段としても役に立つだけでなく、退屈な日常をウキウキした気分に変える不思議な魅力を併せ持っている。 時計も同じだ。時刻を知る道具であることを超えて、着けるだけで生活に彩りを添えてくれる良きパートナーでもあるのだ。だからこそクルマも時計も、自分に合ったスタイルのある1台、1本を選びたい。そんな想いを込めて、ブレゲのトゥールビヨンの特許220周年を記念した特別なモデルの魅力を時計ジャーナリストの菅原茂が解説する。

メカもデザインもすべてが純粋なブレゲ・スタイルだ

ブレゲを創業した時計師アブラアン-ルイ・ブレゲは、パリで工房を構えた18世紀後半から今日に至るまで数多くのフォロワーを生んだ。一般にブレゲ・スタイルと呼ばれる、彼が独自に考案した機構やデザインは、今でもさまざまな時計ブランドで広く用いられ、多大な影響力を持っている。その代表的な機構といえば、何よりトゥールビヨンである。

2021年はアブラアン-ルイ・ブレゲが発明したトゥールビヨンに対してフランス政府から特許の認可を受けてから220周年になる。トゥールビヨンとは、時計の姿勢の変化によって生じる進み・遅れを補正して精度を向上させる特殊な複雑機構を指す。調速を担う部品一式をキャリッジというケージに収め、これを一定の速度で回転させることによって重力の影響を排除し、姿勢差と呼ばれる偏差を平均化するがその基本的な仕組みである。機械式復活によって1990年代以降に高級時計ブランドがこぞってトゥールビヨン搭載モデルを発表するようになったが、すべての原点はこのブレゲの特許にあり、2世紀を経ても創業者ブレゲが発明した機構が生き続けているのには驚嘆するほかない。現代のメゾン・ブレゲでもトゥールビヨン搭載モデルは、オーセンティックなブレゲ・スタイルの継承と発展に不可欠の役を演じているのは言うまでもない。


1801年にアブラアン-ルイ・ブレゲがトゥールビヨン・レギュレーターの特許登録に際して用いた水彩による機構図の原画。こちらがムーブメントに彫金で描かれ、ケースバックを通して確認できる。

ダイアルはもちろん、ケースバックからの眺めにも見どころ満載

特許220周年を記念して発表された最新作「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」は、トゥールビヨン機構はもとより、ギヨシェ彫りの装飾を施し、ローマ数字のチャプターリングやブルースティールのブレゲ針を配したダイアル、フルート装飾のケースバンドなど、細部の隅々まで独特のクラシカルなデザイン・コードが表現され、ブレゲの純度がこの上なく高いモデルである。

アブラアン-ルイ・ブレゲ時代の懐中時計に通じる味わい深いデザインも格別だが、これと並んで注目すべきは、搭載ムーブメントだ。ダイアルの4時と6時の間にトゥールビヨンを配したキャリバー581は、外周に配したリング状のプラチナ製ローターで巻き上げるペリフェラル方式の自動巻きで、厚さをわずか3ミリに抑えた超薄型である。トゥールビヨンキャリッジにも超薄型設計に合わせて従来と異なる駆動方式が採用され、しかもハイビートでパワーリザーブが80時間というトゥールビヨンとしては異例のパフォーマンスだ。さらにブレゲの真骨頂は、トゥールビヨン機構にチタンやシリコンなどの先端素材を用いているところ。古典的な外観とこのハイテクづくしの革新的なムーブメントのどちらにも創業者の精神が受け継がれているのは興味深い。

アブラアン-ルイ・ブレゲが存命中に製作したトゥールビヨンの数に合わせて世界35本限定のこのモデルは、トゥールビヨンの窓の上に当時の特許番号の第157号を記し、ケースバックから見えるムーブメントには1801年の特許登録に際してブレゲが用いたオリジナルの機構図を彫金で繊細に刻むなどの特別仕様で、希少価値も抜群。愛好家なら手に入れたくなる本物の逸品だ。


クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365 
特許220周年記念モデルは、創業者ブレゲ時代の懐中時計トゥールビヨンNo.2567に通じる、極めて細かなクル・ド・パリ模様のギヨシェ彫りダイアルも特色。特許番号「第157号」のプレートやブルースティールによるトゥールビヨンのアッパーブリッジも限定モデル の特別仕様だ。自動巻き。80時間パワーリザーブ。ローズゴールド、ケース直径41mm、3気圧防水。世界限定35本。1927万2000円。


限定の個別番号をはじめ、香箱に〝Anniversaire 1801-2021〞、トゥールビヨンの下部ブリッジに〝Brevet No157 Du 7 Messidor An IX〞の文字を刻む。ムーブメント右側には1801 年の特許登録に際して用いたトゥー ルビヨンの機構図を手作業の彫金で忠実再現。


トゥールビヨンの新たな境地を切り拓く至高のモデルも




クラシック ダブルトゥールビヨン 5345

“ケ・ド・ロルロージュ”
トゥールビヨンという複雑機構をさらに進化させ、中央のディファレンシャルギアを通じてダイアル・プレート自体を回転させるムーブメント機構を露にした、まさにブレゲの技術力の結晶ともいえるモデル。ムーブメントは軸を中心に12時間で1回転し、2つの独立したトゥールビヨンは1分で1回転する。また、ケースバックにはアブラアン-ルイ・ブレゲがパリのケ・ド・ロルロージュで手に入れた建物・初代ブレゲ工房が彫金で精緻に描かれているのも見逃せない。手巻き。プラチナ、ケース直径46㎜、50時間パワーリザーブ。8129万円(2021年12月時点)。

◆ブレゲの詳しい情報はコチラ◆


問い合わせ=ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211

文=菅原茂 写真=近藤正一 スタイリング=石川英治(T.R.S)

(ENGINE2022年1月号)

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