2022.01.06

CARS

400馬力のパワフルなコンパクト・セダン! 新型アウディRS3を富士スピードウェイで体感する!!

アウディRS3セダン

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フルモデルチェンジしたアウディRS3の試乗会が、富士スピードウェイで開催された。わずかな時間で感じたパフォーマンスの片鱗とは? エンジン編集部の荒井がリポートする。

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富士スピードウェイの100R

グググッ! 張り出したサイド・サポートに脇腹が支えられる。メーター内のGセンサーが赤い球を左へスッと動かす。私は新型アウディRS3セダンに乗って、富士スピードウェイの100Rを攻めている。先導するレーシング・ドライバーのスピードはかなり速く、コースインしてから緊張感のあるドライビングが続いている。サーキットを走るのは本当に久しぶりなのだが、4WDのわりにはアンダーステアが抑えられ、コントロールしやすい。なんとか付いていくことができた。



残念ながら時間の関係でホーム・ストレートはおあずけのピット・イン。試乗時間はあっという間に終わってしまった。

ピットで新型アウディRS3セダンを改めてチェックする。まず、面構えが戦闘的になった。黒いハニカム・グリルと大きく開いたエア・インテークは前走車にプレッシャーを与えるに違いない。

インテリアの意匠はアウディA3と同じ。直線基調のシャープな印象がアウディらしい。ステアリング・ホイールやエアコンの吹き出し口にあるボディ・カラーと同じ緑の指し色が特別感を出している。

エンジンは先代から引き継いだ。2.5リッター直5ターボは最高出力400ps/5600~7000rpm、最大トルク500Nm/2250~5600rpmを発生、7段Sトロニックを介し、4輪を駆動する。

新技術「RSトルクスプリッター」を搭載

新型アウディRS3の最大の特徴は、クワトロ・システムにリア側の左右間でトルクを可変配分するRSトルクスプリッターが採用されていること。これにより、リア外輪に100%配分して、ドリフトを容易にする「RSトルクリア」と、セミスリック・タイヤでのサーキット走行に対応する「RSパフォーマンス」という2つのモードが付加された。

「RSパフォーマンス」を選べば、アンダーステアやオーバーステアを最小限に抑える。こうした新技術採用により、ドイツ、ニュルブルクリンクのラップは7分40秒748。コンパクト・クラスの最速記録を塗り替えた。

この日は両モードとも使用禁止だったので、試すことはできなかった。しかし、4輪をそれぞれ個別に制御するというRS3専用のサスペンションは、ガッチリ路面をつかみ、抜群の安定感をもってコーナーをクリアすることは体験できた。ブレーキの効きやペダルの剛性感も、わずかな試乗時間のなかで光る存在だった。おそらく電子制御はいたるところで介入していたはずだが、それを感じることはほとんどなかった。



RS3セダンのほかに、eトロンGT、RS6アバント、R8にも試乗した。すべてに共通するのは、速さと安定感だった。とはいえ、ボディの大きさや重量などから自分にとって最も気持ちいいと思ったのは新型アウディRS3セダンだった。

目的地までいかに早く、天候にも左右されず安心して到着することができるか? アウディに乗ると、いつもそれがクルマの基本にあるように感じる。それをとことん突き詰めたモデルがRSシリーズだと思う。RSトルクスプリッターという新機構が備わる新型アウディRS3はとりわけサーキットが舞台なのかもしれない。エンジン・ドライビング・レッスンで使っている筑波1000などのショート・サーキットでも面白いに違いない。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=アウディ ジャパン

■アウディRS3セダン
駆動方式 フロント横置きエンジン全輪駆動
全長×全幅×全高 4540×1850×1410mm
ホイールベース 2630mm
車両重量 1570kkg
エンジン形式 直列5気筒ターボ
総排気量 2480cc
最高出力 400ps/5600~7000rpm
最大トルク 500Nm/2250~5600rpm
変速機 7段自動MT
サスペンション(前)マクファーソン・ストラット/コイル
サスペンション(後)ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 通気冷却式ディスク
タイヤ(前)265/30ZR19 (後)245/35ZR19
車両本体価格 818万円

(ENGINE2022年2・3月号)

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