2022.02.26

WATCHES

「スタイルのある時計が欲しい!」PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ・フルリエ)篇

クルマは移動の手段としても役に立つだけでなく、退屈な日常をウキウキした気分に変える不思議な魅力を併せ持っている。時計も同じだ。時刻を知る道具であることを超えて、着けるだけで生活に彩りを添えてくれる良きパートナーでもあるのだ。だからこそクルマも時計も、自分に合ったスタイルのある1台、1本を選びたい。そんな想いを込めて、パルミジャーニ・フルリエの新境地を切り開くモデルを時計ジャーナリストの髙木教雄が解説する。

上質な外装に精緻な機構を潜め、 日々の時間をお洒落に刻む

ケースサイドにオーバーレイヤードした大型のラグとブレスレットとが、一続きの滑らかな曲線を描く。スポーティでエレガントな外観は、昨年登場した「トンダ GT」に似るが、実際にはブレスレットの中リンクを大型化するなど、外装すべてが新設計である。「トンダ PF」は、一層のラグジュアリー感を目指した新シリーズ。

極めて短く設えられた植字インデックスは、丁寧なファセットカットとポリッシュ仕上げにより煌めきを放つ。ダイアルは伝統的なギヨシェ彫りならではの繊細でありながらも明確な模様で、静謐なマット感が表現されている。そして古くからあるポインターデイトと3つのインダイアルによる暦表示が、クラシカルな印象を示す。と同時に、日付表示はレトログラード式で、3月1日以外は調整が不要なアニュアルカレンダーであり、神の手を持つと称賛された時計師の精緻な機構も堪能できる。

ハイクオリティな外装と機構とを持つ、クラシカルなスポーティかつドレッシーなこの時計は、休日のカジュアルな装いはもちろん、カッチリとした仕立ての良いスーツの手もとにもスタイリッシュに馴染んでくれる。まさにオールマイティな1本。日常のさり気ない時間と装いとが、一層上質でお洒落になる。

トンダ PF アニュアルカレンダー
ベゼルにだけプラチナを使用。ミシェル・パルミジャーニ氏が初期の作品から好んで用いる手作業によるモルタージュ装飾が、プレシャスな素材で白く高貴な輝きを放つ。ダイアル最外周に配したレトログラードデイトの目盛りは、さり気なくも見やすい。南北両半球の月相を示すムーンフェイズは、122年に1日の誤差という高精度。自動巻き。ステンレススティール、ケース直 径42mm、100m防水。442万2000円。



問い合わせ=パルミジャーニ・フルリエ Tel.03-5413-5745 https://parmigiani.com/en/

文=髙木教雄 写真=近藤正一 スタイリング=石川英治(T.R.S)

(ENGINE2022年1月号)

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