2022.03.01

CARS

ライバルはズバリ、フェラーリ・ポルトフィーノM! 完全に生まれ変わったメルセデスAMG SLに米国西海岸で試乗!!

メルセデスAMG SL55 4MATIC +

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10年ぶりにフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツのフラッグシップ・スポーツモデル、SL。ソフトトップ・オープンになった新型の乗り味は? 米国西海岸で試乗したモータージャーナリストの島下泰久がリポートする。

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ルーツに立ち返ったSL

新しい車名は、メルセデスAMG SL。その名が示す通りSLは新たにメルセデスAMG開発のモデルとして生まれ変わった。あのガルウイング・ドアの300SLはレース直系のモデルであり、つまりそれはルーツに立ち返ったことになると、メルセデスAMGは説明する。



しかも新型は、これまで2世代に渡って使われたバリオルーフからソフトトップに戻され、キャビンにはなんと小さいながらも後席が備わる2+2とされている。コンセプトも大きく刷新されているのである。

見据えているのはSLのパイを侵食しているフェラーリへの反撃だろう。FRオープンで2+2のポルトフィーノMに対抗するには後席が必要であり、またF1でのライバル関係からすれば冠するブランド名はメルセデス・ベンツではなくメルセデスAMGであるべきというわけだ。

エレガントなロードスター・ルックからスポーティな雰囲気に改められた外観の一番の特徴は、なだらかに下がっていくリア・エンド。言うまでもなく往年のSLへのオマージュだ。60km/hまでなら走行中にも開閉可能なソフトトップは、21kgの軽量化にも繋がっている。



その車体はアルミを主体にマグネシウム、ファイバー・コンポジット、スチールを適材適所で使用したもので、先代SLともAMG GTともパーツ共用は一切ない完全新設計のものだ。実際、縦曲げ剛性はGTロードスターに対して40%、横曲げ剛性は50%も向上しているという。

シャシーは、フロントに新たにアームをホイール内に収めたコンパクトなマルチリンク・サスペンションを採用したのがトピックだ。リアアクスル・ステアも標準で装備する。

ラインナップはSL63 4MATIC+とSL55 4MATIC+の2モデル。エンジンはともにV型8気筒4.0リッターツインターボで、前者が最高出力585ps、最大トルク800Nmを発生するのに対して、後者は同476ps、700Nmというスペックとされている。いずれも意外や意外、マイルド・ハイブリッドすらも備わらない純内燃エンジンである。トランスミッションはAMGスピードシフト9GMCTで、SL初の4WDとなる前後トルク配分可変式の4MATIC+が組み合わされる。

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