2022.03.01

CARS

ライバルはズバリ、フェラーリ・ポルトフィーノM! 完全に生まれ変わったメルセデスAMG SLに米国西海岸で試乗!!

メルセデスAMG SL55 4MATIC +

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今回のテスト・ドライブでは、この2台を乗り比べることができた。舞台はLAからパームスプリングスまでの一般道である。

インテリアは、最近のメルセデスのスタイルであるフレームレスのTFTディスプレイを使わず、敢えてメーターバイザーを残している。オープンカーということで陽射しによる視認性の悪化を避けるためと説明されているが、これは同時に古典的なコクピット感覚にも繋がっていて悪くない。縦型のセンター・ディスプレイも、やはり映り込みを避けるべく角度調整が可能だ。

走りっぷりでまず驚かされたのがボディの高い剛性感である。確かにソフトトップは開いているのに、乗り味はまるでクローズド・ボディのようなのだ。舗装の荒れたところでも安っぽい振動が伝わってくることは皆無と言っていい。



SL634MATIC+では、操舵と同時にロールをほとんど感じさせることなくヨーが立ち上がる鋭いレスポンスが印象的だ。実はこちらにはアンチロール・バーに代わり4輪のダンパーを連結させて姿勢制御に使う新開発のAMGアクティブ・ライドコントロール・サスペンションが搭載されており、リアアクスル・ステアの貢献もあって、従来のSLよりも格段にスポーティな、よく曲がるハンドリングが実現されている。

比較すると、SL554MATIC+の方が挙動はナチュラルで、乗り心地もマイルド。これまでのSLに親しんできた人は、こちらの方を好むのではないだろうか。

動力性能を比較すれば、当然SL634MATIC+の方がパンチがあるのは事実だが、どちらにしても一般道では使い切れないほどのパワーが備わっている。4MATIC+の採用によって、躊躇せずに踏んでいけるようになったのが嬉しいところで、ICEのスポーツカーに乗る歓びをピュアに実感させてくれるのだ。

ラグジュアリーなSLを愛好してきた人にとっては複雑かもしれないが、新しいSLが高い実力をもったスポーツカーに仕上がっていることは間違いない。300SLプロトタイプの登場から70周年。大きく刷新されたSLは再び輝くことができるだろうか?

文=島下泰久 写真=ダイムラーAG

ソフトトップの開閉所要時間は15秒。

■メルセデスAMG SL63 4MATIC +
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4705×1915×1353mm
ホイールベース 2700mm
トレッド (前)1660mm、(後)1625mm
車両重量 1970kg
エンジン形式 直噴V 型8 気筒DOHCツインターボ
排気量 3982cc
ボア×ストローク 83.0×92.0mm
最高出力 585ps/5500-6500rpm
最大トルク 800Nm/2500-5000rpm
トランスミッション デュアルクラッチ式9段自動MT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ (前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ (前)265/40ZR20、(後)295/35ZR20

■メルセデスAMG SL55 4MATIC +
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4705×1915×1359mm
ホイールベース 2700mm
トレッド (前)1665mm、(後)1629mm
車両重量 1950kg
エンジン形式 直噴V 型8 気筒DOHCツインターボ
排気量 3982cc
ボア×ストローク 83.0×92.0mm
最高出力 476ps/5500-6500rpm
最大トルク 700Nm/2250-4500rpm
トランスミッション デュアルクラッチ式9段自動MT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ (前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ (前)255/45ZR19、(後)285/40ZR19

(ENGINE2022年4月号)

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