2022.03.06

CARS

ポルシェで言うならコイツは911GT3だ! GRMNヤリスに筑波サーキットで乗った!!

GRMNヤリス“サーキット・パッケージ”

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1.6リッターターボ・エンジンは最高出力こそ272PSと不変だが、最大トルクは20Nm増の390Nmとされている。6速MTはクロースレシオ化されてファイナルギア比もローギアード化。1、3、4,5速とファイナルにはSNCM材を使い、その上でショット処理まで施して強度を高めているのは、まさにレース現場からのフィードバックに拠る。更に、前後のLSDは機械式を採用する。

サーキット・パッケージは、これに前述のアドバンA052をBBS製18インチ・ホイールに組んで装着。大径ブレーキ、ビルシュタイン製ダンパー、綾織CFRP製リア・スポイラー、サイド・スカート、リップ・スポイラーを組み合わせている。

テストの舞台は走り慣れた筑波。まず感じたのは乗り心地がかなりハードで室内も騒々しいということだ。まるで競技用車両。一般道では結構疲れるだろうなと容易に想像できる。

フロントにはレカロ製フルバケット・シートを採用。サイド・エアバッグも装着される。

その割り切りの分、サーキットでの走りは刺激、快感に満ちあふれていた。ごく控えめに言っても、これはサイコーに楽しい!

エンジン・パワーは変わっていないが、クロースレシオ化とファイナルギア比の変更の恩恵で、加速感は一層歯切れが良くなった。ヘアピンでも3速のまま、最終コーナー手前では5速に入れても一瞬だけというギア比は富士辺りの方が向いていそうだが、それでもバックストレートの最高速は170km/hオーバーと速さは文句ナシである。

何より痛快なのがコーナリングだ。強力なタイヤ・グリップを頑強なボディがしっかり路面に接地させ続けるから、多少縁石に乗ろうと安心してリミットまで攻めていける。機械式LSDの採用で、アクセレレーターを踏み込むとフロントはステアリングを切った方向にグイグイ引き込まれ、同時にリアは絶妙にスライドしながらクルマを前に進めていく。アンダーステアとは無縁で、踏めば踏むほど曲がっていく様は、まさにドーパミンがあふれ出して止まらないという感覚なのだ。



この日はプロドライバーによるタイムアタックも行なわれ、非公式ながら1分3秒を切るラップタイムが記録された。エンジン・パワーはほぼ変わっていないのに、GRヤリスより約3秒速いのである。

分かりやすく言えば、GRヤリスが911カレラだとしたら、GRMNヤリスは911GT3だ。快適性などは犠牲にしつつもモータースポーツの知見と技術で研ぎ澄ませた走りっぷりは刺激にあふれている。

そんなクルマだけに、限定車といえども手に入れられた幸運な方はガレージにしまい込まずにガンガン走らせてほしい。尚、購入はウェブサイトを通じての抽選予約とされ、申込締切は2月28日となる。つまり、気になった方、まだ間に合います!

文=島下泰久 写真=トヨタ自動車



■GRMNヤリス“サーキット・パッケージ”
駆動方式 エンジン・フロント横置き4WD
全長×全幅×全高 4030×1815×1475mm
ホイールベース 2560mm
トレッド(前/後) 1535/1570mm
車両重量 1260kg
エンジン形式 直噴直列3気筒DOHCターボ
排気量 1618cc
最高出力 272ps/6500rpm
最大トルク 390Nm/3000-4000rpm
トランスミッション 6段MT
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 通気冷却式ディスク
タイヤ 225/40R18
車両本体価格(税込み) 846万7000円

(ENGINE2022年4月号)

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