2022.04.05

CARS

一度乗れば、みんな虜になる シトロエン新型C4に乗ったジャーナリスト5人の感想とは【2022年エンジン輸入車大試乗会】

シトロエンC4シャイン・ブルーHDi

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。個性的で先進的なシトロエンデザインに現代版のハイドロサスでもある「PHC」を搭載した新型C4を、今尾直樹、嶋田智之、清水和夫、国沢光宏、石井昌道の5人が試乗した。

同じシャシーでICE車とBEVのどちらかが選べる

1928年デビューの初代C4から数えれば4代目にあたる最新のC4は2022年1月に上陸したばかり。先行した同じグループのプジョー208やDS3クロスバックと同様に、同一のシャシーで内燃エンジンと電気モーター、いずれのパワーユニットも選択が可能となっている。日本市場では最高出力/最大トルクが130ps/230Nmの1.2リッター3気筒ガソリン・ターボ(290~325万円)、130ps/300Nmの1.5リッター4気筒ディーゼル・ターボ(345万円)、136ps/260Nmで一充電走行可能距離が405km(WLTCモード)の電気モーター(465万円)の3つの仕様が用意される。全長×全幅×全高=4375×1800×1530mm。ホイールベース=2665mm。車両重量=1380kg(スペックはすべて試乗車のシャインBlue HDi)。



独自のふわトロな乗り心地は冬の朝が苦手なのかも!?/今尾直樹


朝8時30分から始まる1コマめ。乗り込んだ新型C4ディーゼルは先日試乗した広報車と同じ個体で、さあトロトロふわふわの乗り心地が楽しめるぞ、と勇躍走り始めた。ところが、ぜんぜんトロトロじゃない! なんだか硬い。以前、箱根で乗ったときは確かにトロふわだったのに……。ダンパー内にセカンダリー・ダンパーを組み込んだ、シトロエン特許のプログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)と、アドバンスト・コンフォート・シートという自慢のシートのおかげで、往年のハイドロニューマチック・サスペンションもかくやの、ストローク感とフラット・ライドが両立した、癒しの里っぽい、ユルふわの乗り心地が味わえたのだ。なのに、今朝はあのふわトロの幸福感がない。大磯周辺の路面が合わないのか、それとも速度が低すぎるのか? あ。冬のこととてPHCのオイルが冷え切っているのかもしれない。ダンパーがようやく暖まり、ちょっととろみが出てきたかも……というところで私の持ち時間が終わってしまった。一期一会。冬の朝 オイル冷え冷え シトロエン。

上位グレードのC4シャイン(電気自動車のE-C4シャインを含む)は革シートとシート&ステアリング・ヒーターが標準となるなど装備は充実。インストゥルメント・パネルの助手席前方には格納式のタブレット・スタンドも配置されている。

乗り心地がいいのではなく、乗り心地が“気持ちいい”!/嶋田智之


まずいな……という気持ちは、シートに腰をおろした瞬間からはじまった。ふんわりと絶妙に身体を受けとめて、包んでくれるかのよう。走り出してみると、タイヤが何回転もしないうちに、その気持ちが膨れ上がる。ふんわりとした、ちょっとしっとり系の感触。路面の段差やうねりを柔らかく吸収し、ショックじゃなくて心地いいものとして伝えてくる。高速領域になると、常にフラットでふんわり。いついかなるときも“ふんわり”している、といっても過言じゃないと思う。乗り心地が“いい”のではなくて、乗り心地が“気持ちいい”のだ。長いホイールベース、脚に仕込まれたセカンダリー・ダンパーのプログレッシブ・ハイドローリック・クッション、生地裏のフォームを分厚くしつつ部位によって柔らかさを換えているアドバンスト・コンフォート・シートは、乗り心地のための三種の神器。ハイドロ・サスの美点を再現し、ハイドロ・サスのネガを排除した乗り味に、元ハイドロ乗りは一発でやられた感じ。このまま1000km先にでも走っていきたい気分だ。この乗り心地だけで“買い”、だろう。



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