2022.04.05

CARS

一度乗れば、みんな虜になる シトロエン新型C4に乗ったジャーナリスト5人の感想とは【2022年エンジン輸入車大試乗会】

シトロエンC4シャイン・ブルーHDi

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今尾直樹、嶋田智之に続き、清水和夫、国沢光宏、石井昌道の3人は新型シトロエンC4をどのように評価したのだろうか。

ラリーで鍛えた足まわりが格別な快適性と安心感をもたらす/清水和夫

この足はどう考えても普通じゃない。技術をチェックすると、やはりラリーで培ったノウハウが生かされていた。もともとPSA(プジョー・シトロエン・アライアンス)はダンパーへのこだわりが強く、ストロークを上手に使ったサスペンションは定評があるが、シトロエンはさらにその上を行っている。あの油圧ハイドロシステムの乗り味がシトロエンの原点なので、金属バネとダンパーでそれが出せるかが課題だった。シトロエンは油圧サスの代替えとして、PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)という技術を発表している。これはダンパー・イン・ダンパーと呼ばれるもので、ダンバーの内部にもう1つのダンパーを内蔵するというユニークな技術だ。欧州のKYB(日本のダンパー・メーカー)との共同開発で、ラリーで鍛えた技術なのだ。ワインディングではそのサスペンションは十分なストロークをドライバーに感じさせ、常にバネ上のボディはフラットに保たれる。快適性と安心感はこのセグメントではずば抜けている。これ以上、何も言うことはないのである。



例えるなら、豪華なディナーではなくブレッド&バター/国沢光宏


欧米のクルマ好きの間で、よく「ブレッド&バターのようだ」という表現が使われる。日本だと「お米」ですね。毎日食べても飽きない。出来の良い相棒の代名詞だと理解して頂ければいいだろう。今回初めてシトロエンC4に乗ったのだけれど、これぞ「ブレッド&バター」だと感心した。いや、気取って書かせて頂くなら「ラリー・モンテカルロの取材で泊まったプロヴァンスのホテルの朝ご飯に出てくる焼きたてクロワッサン」ですね。これくらいシャレてて、センスの良いブレッド&バターのようなクルマはめったにない。エンジンの大試乗会はきらびやかなディナーが並ぶけれど(私はアルピナB8から乗り換え、次にマクラーレンでした)、そんな時でも「いいね!」と思えるレベル。乗り味は往年のシトロエンの雰囲気を残し、当たりが柔らかい。エンジンも華美じゃないものの、必要にして十分なパワー。何より割高になりがちなディーゼル・エンジンを搭載するフル装備で345万円というプライスが正しくブレッド&バターにふさわしい。毎日の相棒を考えているならぜひ検討を。



コンベンショナルサスであることが不思議なくらい懐が深い/石井昌道


コンパクト・カーはフランス車に限る、というのはけっこう古くからの持論。イメージ的にはドイツ車は硬く、日本車は薄っぺらい乗り味なのに対して、小股が切れ上がったような活発さと意外な重厚感を持っているのがフランスのコンパクト・カーなのだ。シトロエンC4は、プジョー208やDS3クロスバックなどBセグメント・カーと同じプラットフォームだが、ロング・ホイールベース化され全長が伸び、Cセグメント・カーになっている。それはシトロエンらしい快適な乗り心地に繋がっている。ストローク感が豊かで動きはスムーズ。それでいて高速域ではフラット・ライドでもある。コンベンショナルなサスペンションなのに、不思議なぐらい懐が深いシャシー性能を見せるのだ。185/60R18という珍しいタイヤ・サイズも独特の乗り味の要因だろう。外径は大きくてスタイリッシュだが、細くてエア・ボリュームが大きいからソフトタッチかつ低燃費志向でもある。1.5リッターのディーゼル・エンジンはアイドリングではちょっと耳につく音質だが、走り出せば静かで、C4のキャラにも合っている。



写真=神村 聖(メイン)/郡 大二郎(サブ)


(ENGINE2022年4月号)

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