2022.04.17

CARS

600万円でリース販売のみ トヨタEV戦略の切り札、bZシリーズの第1弾が登場

2030年に年間350万台の電気自動車を販売すると公言したトヨタの電気自動車の切り札、bZシリーズの第1弾となるbZ4Xの市販モデルが発表された。

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ビヨンド・ゼロ

bZ4XはSUVスタイルのバッテリーEV(BEV)。bZはトヨタのBEVのシリーズ名で、ビヨンド・ゼロの頭文字から取ったも。ちなみに、ビヨンド・ゼロとはゼロ・エミッション(二酸化炭素排出量ゼロ)を超えて、すでに排出済みで地球上に蓄積されている二酸化炭素をも削減していくということを表している。bZ4Xの「4」はクルマのサイズ、BMWで例えるなら3シリーズとか5シリーズにあたるもので、「X」はSUV、同じBMWで例えるとX3やX5の「X」に当たるものだ。



トヨタらしくない!?

グリル・レスのフロント・マスクは斬新なところに入れられているキャラクター・ラインなど、エクステリアにはこれまでのトヨタ車とは異なる新しい意匠が盛り込まれている。ボディ・サイズは全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mmで、ホイールベースは2850mm。トヨタ・ハリアーと比べると全長が5cm短い以外はほぼ同じ大きさだ。

インテリアでも新しいデザインが取り入れられている。インパネは、少ない視線移動で情報確認できるトップマウント・メーターを採用。2021年11月に発表された事前情報のときに登場していた、上下がカットされた航空機の操縦桿のようなステアリング・ホイールを持ち、ステア・バイ・ワイヤと組み合わせられることで持ち替えなしに操舵できる「ワンモーショングリップ」は追って設定される予定だ。

居住性については、スペース設計の自由度が高いBEV専用プラットフォームを用いることで、前後とも中型SUVクラス・トップレベルのレッグ・ルームと、レクサスLS並みの前後シート間距離を確保している。



前輪駆動ベースで4WDも有り

パワートレインは、モーターをフロント部分に1つ搭載する前輪駆動と、それに加えて後輪駆動用モーターをリア・アクスルに加えた2モーター4WDの2タイプを用意。1モーター仕様は204ps(150kW)/266Nm、2モーター仕様は109ps(80kW)/169Nmのモーターを前後に2つ積みシステム総合出力は218ps(160kW)/337Nmを発生する。車両重量は前輪駆動が1920kg、4輪駆動が2010kgだ。

駆動用バッテリーの総電力量は全モデル71.4kWhで、交流充電は6.6kW、直流急速充電は最大150kWに対応。90kW充電器なら40分で80%のチャージが可能だ。0-100km/h加速タイムは前輪駆動が7.5秒、後輪駆動が6.9秒。WLTCモード航続距離は、前輪駆動が559km、4WDが540kmとなっている。

グレードは駆動方式の違いのみ。ホイール・サイズは18インチが標準で、オプションで20インチが選べる。また、パノラマ・ムーンルーフ、年間1750km走行分相当の発電が可能なソーラー充電システムがメーカーオプションで用意される。ボディ・カラーはルーフまわりが黒になる2トーンを含め、11色が揃う。



自分のものにはできない

販売は、バッテリーの管理やメンテナンス、残価の不安を払拭するべく、全数をリースとなる。個人ユーザー向けには、諸経費も月額利用料、任意保険を含めるサブスクリプション方式のKINTO(キント)で、4年以上の保有が条件となる政府からの補助金を考慮し、4年以上から最長10年のbZ4X専用プランを設定。契約期間中は電池性能を保証(10年20万km、電池容量70%)し、5年目以降の月額引き下げや解約金なしといったサービスを付与する。法人向けはこれまでのリース販売と同形態を採る。

価格は前輪駆動モデルが600万円、4WDモデルが650万円。KINTOでの利用価格は発売日の5月12日に公表される。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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