2022.06.20

LIFESTYLE

これ、すべて磁器製です! 世界的巨匠と老舗磁器ブランドの協働で生まれた驚きのアート作品

パーティ・グッズでもある動物型のバルーンをモチーフにした『セレブレーション』シリーズを磁器で再現

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石川県にある金沢21世紀美術館で開催中の『ジェフ・クーンズ×ベルナルド』。世界的アーティストが手掛けたステンレススチール製の彫刻が磁器職人の技術により、これまでにないユニークな作品に生まれ変わった。

まるでバルーン・アニマル

開放的なガラス張りのギャラリーに置かれていたのは、高さが40cmにも満たない、色鮮やかな動物たちのオブジェ。光を反射する艶やかな肌合いから、まるで風船をねじって作られたバルーン・アニマルのように見えるが、実はこれ、すべて磁器製である。現代アートの巨匠、ジェフ・クーンズが、フランス・リモージュの磁器ブランド、ベルナルドと協働で手掛けた作品の展覧会が、金沢21世紀美術館で開催中だ。

これらの作品の元となるのは、クーンズが1990年代半ばに制作した『セレブレーション』というシリーズ。オリジナルは高さが約2~4mもある巨大なステンレススチール製の彫刻で、2013年にはオレンジ色の犬型をした作品が、当時としては最高額の約5840万ドル(約63億円)で落札され話題を呼んだ。



「高尚でありながら卑俗、誘惑的でありながら純粋、永遠でありながら脆い……。クーンズの代表作である『セレブレーション』シリーズからは、相対する様々な要素を感じ取ることができます。今回の磁器版は、10年ほど前に作者自らがベルナルドに依頼して実現したもの。その再現度、完成度の高さには驚かされるばかりです」(金沢21世紀美術館の長谷川祐子館長)

試行錯誤を繰り返しながら……

だがステンレススチール製の彫刻を、磁器で作り直すことは困難を極めた。顔料を塗布するための技術、表面の滑らかさを出すための釉薬の開発、風船を膨らませたかのような自然な曲線の再現、一切のつなぎ目が見えない滑らかな造形……。ベルナルドの職人たちは、試行錯誤を繰り返しながら、今回のプロジェクトに挑戦。一見したところ磁器とは思えないような、ユニークな質感のアート・ピースを完成させたのだ。



もちろん美術館では作品に触れることはできないが、いずれも1点ものではないので、ベルナルドから数百万円で購入することはできる(数量は限定)。

アートは一部のコレクターや美術館だけの所有物ではなく、より多くの人が身近に置いて楽しむべきものである。磁器版の『セレブレーション』シリーズには、そんなクーンズの想いも込められているそうだ。



『ジェフ・クーンズ×ベルナルド』は9月11日まで金沢21世紀美術館 デザインギャラリーで開催中

文=永野正雄(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年7月号)

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