2022.05.26

LIFESTYLE

1作目を遥かに凌ぐ大傑作に! 『トップガン』36年後の続編で見せたトム・クルーズの譲れないこだわり

驚きの映像が連続。飛行シーンの撮影は、戦闘機内でIMAXカメラを6台同時にまわして行われた。監督は『オブリビオン』のジョセフ・コシンスキー。

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1986年に公開され、世界中で大ヒットした『トップガン』。トム・クルーズのこだわりが詰まった続編は、凄まじい映像体験ができる、今年1番の快作に仕上がっていた。

これまでも続編製作の話が……

23歳の若手俳優、トム・クルーズを世界的な大スターに押し上げた1986年の映画『トップガン』。その後、幾度となく続編製作の話が持ち上がったが、実現までに36年もの歳月を要したのは、トム・クルーズ本人に絶対に譲れない”こだわり”があったためだという……。

ついに完成した続編『トップガン マーヴェリック』で、天才的な海軍パイロット、ピートを演じるのは、もちろん前作と同じトム・クルーズ。戦闘機のテスト・パイロットを務めていた主人公に今回、与えられた任務は、自身と同じトップガン(アメリカ海軍のエリート・パイロット養成校)を卒業した若手12名を訓練し、その中から6名を選抜すること。ならず者国家がつくったウラン濃縮施設を破壊するため、彼らを敵地に送りこむのが目的だ。

だが敵の施設があるのは急峻な峰に囲まれた山岳地帯で、パイロットたちは敵のレーダーに探知されないよう低空で山を飛び越え、ピンポイントでターゲットを爆撃しなければならない。さらに脱出後は遥かに性能が勝る敵機の攻撃もかわさなければならないという、まさに”ミッション・インポッシブル”なものだった。しかも彼が訓練する12名の中には、30余年前、自らが操縦する戦闘機の事故で亡くした親友、グースの息子も含まれていた。



戦闘機内での撮影

お馴染み、ケニー・ロギンスの『デンジャー・ゾーン』が流れるオープニングから心を躍らせるファンは多いだろうが、その後の展開、とりわけF/A-18スーパーホーネットを使った空中戦の迫力は、あらゆる観客の期待値を遥かに凌ぐものである。

実は前述したトム・クルーズの”こだわり”とは、飛行シーンの撮影においてコンピューター・グラフィックス、すなわちCGIを使わないこと。共演者たちにも、時速1000km近くで飛ぶ戦闘機内の撮影に耐えられるよう、徹底した訓練を施したという。

その臨場感の凄まじさたるや、CGIに頼り切った、昨今のスーパーヒーロー映画とは完全に別次元のものである。体重の何倍もの負荷がかかるGを受けて歪む役者たちの顔は、飛行中の戦闘機に搭載した特殊なカメラが捉えたリアルなものだ。

トム・クルーズの信念により完成した『トップガン マーヴェリック』は、映像表現の限界に体を張って挑んだ、今年一番の娯楽映画である。まさに”体験”する作品として、劇場、できればIMAXシアターに足を運ぶことを強くオススメしたい。



『トップガン マーヴェリック』は5月27日(金)全国ロードショー 配給:東和ピクチャーズ

(C) 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

文=永野正雄(エンジン編集部)

(ENGINE2022年7月号)

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