2022.08.03

CARS

ちょっと古いベンツ、車検が通らない最大のピンチを切り抜ける!!【メルセデス・ベンツ300TE(1992)長期リポート #134】

エンジン編集部の長期リポート44号車/メルセデス・ベンツ300TE(1992)

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オーバーヒートの痕跡が!

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東松戸駅から10分ほど歩き「ガレージユアサ」に到着すると、44号車は洗車してもらったのだろう、ピカピカになっていた。

「以前、オーバーヒートをやってるでしょう?」そう言うと、湯浅さんはエンジンのヘッドカバーを外した写真をテーブルの上に置いた。電動ファンのモーターが固着して羽根が回らず、真夏に立ち往生したことが確かにあった。

「シリンダー・ヘッドとブロックの間にあるガスケットが歪んだのかな? 隙間が出来てオイルが漏れている。ただし、ガスケット交換ということになるとお金がかかるから今回はやっていません。とりあえず、ヘッドカバーのゴムパッキンを交換してあります。それから、オイル・レベル・センサーからもオイルが漏れていた。これも交換すると高くなってしまうので、コーキング剤を使って直しました」

当方の予算を考慮してくれているようでありがたい。

「駆動系もダメ。プロペラシャフトのジョイント・ディスクが前後ともボロボロだったので交換しました。さらに、点火系ではディストリビューターのローター&キャップ、プラグも交換、水回りではヒーター・ポンプが漏れていたので交換、パワステ・オイルもちょっと漏れているみたいだけど、こちらはオイルを交換するのみにしてあります。じゃあ、クルマを見に行きましょう」

次から次へのダメ出しに凹みながら、44号車のボンネットを開ける。嬉しいことにボロボロになっていたフード・インシュレーター(フード裏側の遮音断熱材)が新しく張り替えられていた。



そのほか、エンジン・オイル、ワイパー・ブレード、バッテリー、電球などの消耗品が交換された。車検を通すための懸案事項であるニュートラル・スイッチも、もちろん交換され、費用は総額で47万2072円(税込)だった。費用明細には工賃サービスの文字が並び、湯浅さんの心意気を感じた。

「これで次の車検までは大丈夫。でも、真夏の渋滞は気を付けて。一番いい時代のクルマだから大事に乗ってください」

湯浅さんの嬉しい言葉で送り出された。

「ガレージユアサ」を退院した44号車はおかげさまで快調だ。久しぶりに乗る1992年型メルセデス・ベンツ300TEは、相変わらず乗り心地がいい。剛性感が高くガッチリしている。1740mmの全幅は都心でもストレスを感じさせず、小回りも利くから扱いやすい。日本の道を走るならこのぐらいがいいと改めて思った。高速道路を使って墓参をしたときには、3リッター直6の吹け上がりとシートの出来の良さに感心し、復活を心から祝福した。

新型コロナ・ウイルスの感染拡大により、外出の自粛要請が発令されたけれど、春になれば桜は咲き、新緑の美しい季節もやってくる。満開の桜に背中を押されて、44号車は再スタートです。

文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

■44号車/メルセデス・ベンツ300TE(1992)
Mercedes-Benz 300TE(1992)
購入価格 168万円
導入時期 2008年9月
走行距離 30万4700km

(ENGINE2020年6月号)

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#133 ちょっと古いベンツ、なんとか車検通過しましたぁ!!【メルセデス・ベンツ300TE(1992)長期リポート】

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