2023.02.10

CARS

クルマとポルシェ911を一緒にしちゃいけない! 911ターボに乗ってポルシェの本当の凄さがわかったという荻原次晴さんのクルマ体験とは

スポーツキャスターの荻原次晴さんとスバル・レヴォーグ。

全ての画像を見る
子供時代はクルマ嫌い

advertisement


「スバルはふるさと群馬のクルマでもありますから(笑)」

群馬県の草津町で育った荻原さん。子供の頃は大のクルマ嫌いだったという。

「父のVWビートルに家族みんなでぎゅうぎゅう詰めに乗って、母の化粧品の匂いや後席の振動などでクルマ酔いしてしまったんです。だから、僕が免許を取ってから“クルマ、クルマ”なんて言い出したことに母は驚いていました」

荻原さんが最初に乗ったクルマはトヨタ・ハイラックスサーフだった。

「東京の大学に入学したとき、兄(健司さん)とふたりで使うようにと、父が買ってくれたんです」

大学入学とともに新車のハイラックスサーフとはなんとも羨ましい。自分で買った初めてのクルマはメルセデス・ベンツC200。初代Cクラスである。

「24歳のときです。あこがれのメルセデス・ベンツはシートが硬くて、頑丈なトランクに入っている感じがしました。このボディの堅牢さはやっぱり国産車とは違う。ただ、もう少し大人になってからでもいいのかなあ? という思いもありました」

荻原次晴 双子の兄・健司とともにノルディック複合選手として頭角を現し、1994年からワールドカップに参戦。1995年の世界選手権では団体金メダルを獲得する。1998年は念願の長野五輪に出場、入賞を果たした。引退後はスポーツキャスターとしてメディアに多数出演。2017年には日本オリンピック委員会特別貢献賞を兄弟で受賞。アウトドア活動の経験から「次晴登山部」を発足させる。ツアーを企画し、日本百名山登頂に挑戦中。

BMWのカブリオレ

大人しいデザインのメルセデス・ベンツC200の反動もあったのだろう、真っ赤なBMW328iカブリオレ(E36)に乗り換える。

「ヨーロッパ遠征に行ったときに、BMWのショウルームで見たんです。こんなにカッコいいクルマがあるんだ! と思いました」

帰国後、すぐに購入したという。

「あれは本当にカッコよかったですね。ただ、夏は暑いし、冬は寒いし、トンネルでは煙いしと、日本では幌を開ける機会が少ないんだと思いました。屋根のないオープンカーの方がクーペに比べて車体が重いということも、初めて知りました」

Jリーガーと911

真っ赤なBMW328iカブリオレに4年ほど乗った荻原さんは、ある決断をする。そうだ! ポルシェに乗ろう!

「1993年にスタートしたJリーグの選手たちに憧れと劣等感を抱いていました。ヴェルディの三浦知良さん、ラモス瑠偉さん、北澤 豪さんなどなどJリーグの選手たちは、みんなキラキラ輝いていた。Jリーガーは、オシャレでポルシェに乗っているイメージでした。一方のスキー選手はマイナーで、4WDで山道を行くみたいな感じだったんです」

スポーツ選手としてメジャーになるためには何が必要なんだろう? と考えていた荻原さんは、ポルシェに力を借りてみようと思った。

「どうせ買うならマックス、頂点にいこうと思って、ポルシェ911ターボ(996)を新車で購入したんです。納車まで8カ月かかりました」

もしかしたら、実家の草津に行くかもしれない。ターボにしたのは4WDだからというのもあった。

ポルシェ911ターボは荻原さんの想像を超えるほどのいいクルマだったという。

「ポルシェ911って本当にいいクルマですね。もう、ポルシェ911はクルマじゃなくてポルシェ911っていう乗り物だと思います。クルマとポルシェ911を一緒にしちゃあいけません」

ポルシェ・ファンが膝を叩くような発言が飛び出した。

「ポルシェ911ターボの第一印象は、モビルスーツ! 乗り込むと気持ちはもう、“アムロ、行きます!”。ガンダムに乗ったら、きっとこんな感じなんじゃないかと思いました。クルマを運転するというよりも、マシンのなかに入って操るという感覚なんです」

アスリートである荻原さんだから、ポルシェ911ターボの動きと自身の神経が繋がるような感覚があったのかもしれない。

「コーナリングでも狙ったラインにスッと入り、豪快に脱出していく。このキレ味はすごい。これがスポーツカーなんだと思いました。僕たちが使っているスキー道具も自分の意志と同じ、あるいは自分よりも先に道具が判断するぐらい研ぎ澄まされているんです。だから一般の人では扱えない。ポルシェ911ターボはそういう道具なんだと思いました。それがとても気持ち良かった」

ポルシェ911ターボに乗るようになって、長距離もクルマ移動するようになったという。

「夏になると草津から志賀へ抜ける高原ルートが開通するんです。ヨーロッパのような景色のなか、つづら折れの峠道を走るのが好きでした。ポルシェ911ターボもイキイキしていたと思います」



▶「わが人生のクルマのクルマ」の記事をもっと見る

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement