2022.08.15

WATCHES

カラーダイアルを常識にしたパテック フィリップ新作

かつての「ジュネーブSIHH」と「バーゼルワールド」の主役級ブランドが一堂に会し、今年はリアルで開催された世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2022」。「ワンダーズ」という言葉に象徴されるように、数々の時計には新たな発見と驚きがいっぱいだ。

シリーズ第11弾は「パテック フィリップ」。時計ジャーナリストの菅原 茂氏とENGINE編集部時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

高級時計でもカラーダイアルはもはや常識

ジュネーブのウォッチズ&ワンダーズに本格参入してどんな新作を発表するのか、世界から一身に注目を浴びたパテック フィリップだが、その内容には驚きがいっぱい。まず今年はすべての新作にカラーダイアルを用い、従来の色のないモデルの何点かが生産終了になったこと。機構の点では、パテック フィリップ独自の年次カレンダーとトラベルタイムを融合した「5326」や、高速回転のクロノグラフ針によって10分の1秒の計測と表示を可能にした「5470P」がベールを脱いだ。伝統を大切にしながらも、新世代モデルの開発に向けて舵を切った感がある。


年次カレンダー・トラベルタイム 5326
1年に一度の修正で済む年次カレンダーと2本の時針でローカルタイムとホームタイムの表示が同時に可能なトラベルタイムは、ブランドのシグネチャーと呼べる機能。2つを連動させたムーブメントは8件の特許を取得する最新キャリバー。またヴィンテージのカメラのボディを彷彿させるアンスラサイトダイアルやベージュのルミナスカラーなど見どころ満載。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径41mm、3気圧防水。888万8000円。


マイクロローターの自動巻きムーブメントは、2つの複雑機構を搭載しても厚さ5.6mmの超薄型で、時計全体でも約11mmとスリム。



カラトラバ 5226
上の「年次カレンダー・トラベルタイム 5326G」と同様にざらっとした質感のアンスラサイトダイアルおよびベージュのルミナスカラー、ケースサイドのクル・ド・パリ模様を採用する新しい3針モデルは、従来の「カラトラバ」とはまったく異なるイメージ。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径40mm、3気圧防水。451万円。



1/10秒シングル プッシュボタン・クロノグラフ 5470P
毎時3万6000回振動のハイビートムーブメントをベースにして、センター秒針で10分の1秒単位の精彩な計測と表示が可能なクロノグラフ。7件の特許を取得しパテック フィリップ アドバンスト リサーチの成果を示すこの新作もブルーダイアルとレッドの針が新鮮なイメージを醸す。手巻き。プラチナ、ケース直径41mm、3気圧防水。価格要問い合わせ。


ワールドタイム 5231
ダイアル中央にカラフルなクロワゾネエナメルで世界地図を描いた「ワールドタイム」は、1950年代からパテック フィリップに受け継がれる伝統的デザイン。最新モデルでは初めて日本列島が明瞭に描かれた東アジアバージョンが登場し、日本のファンには見逃せない。自動巻き。ホワイトゴールド、ケース直径38.5mm、3気圧防水。1025万2000円。

菅原 高級時計の格調や気品を語るのにホワイト、シルバー、ブラックといった無彩色が「常識」だったのは過去の話。パテック フィリップでさえも今年の主役はカラーダイアルだ。幸い実機を見る機会に恵まれたが、さまざまなモデルにトレンディなカラーを採り入れながら高級時計としての上質感を引き出しているところはさすがだと感心した!

前田 今年も力作揃いのパテック フィリップ。中でも「年次カレンダー・トラベルタイム 5326」と「カラトラバ 5226」は、ヴィンテージな雰囲気をダイアルから漂わせながら、ケースは側面全体にクル・ド・パリのギヨシェを施すことで気品も兼ね備える稀有な存在。しかも、ラグと裏蓋を一体化させてギヨシェを見せる美を追求するこだわりには驚かされた。

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年7月号)
※価格は雑誌掲載時のものです。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

PICK UP



RELATED