フレッシュな食材を使用したイタリアの本格的なトラットリアの味を楽しむ。
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熟成肉を使用したTボーンステーキで人気の『ウルフギャング・ステーキハウス』。7月、東京・表参道にイタリアンの新店『イル・ルピーノ・プライム』をオープンしたオーナーのウルフギャング・ズウィナーさんと次男のピーターさんに話を聞いた。
65歳でステーキハウスを創業
2014年に東京・六本木に上陸したニューヨーク発祥のレストラン『ウルフギャング・ステーキハウス』。今や日本国内だけで5店舗を構えるが、ステーキ好きであればウルフギャングの名前を聞いただけで、あの旨味たっぷりの、アメリカン・サイズのTボーンステーキを思い浮かべることだろう。
このウルフギャングの系列に7月、新たな店が加わった。だが今回はステーキハウスではなくイタリアン。東京・表参道の複合施設『ののあおやま ショップ&レストラン』内にオープンした『イル・ルピーノ・プライム』だ。
「私はドイツ・ブレーメンの出身ですが、子供の頃に4年ほど、イタリア・ナポリに暮らしていたことがあります。その時につけられたニックネームがイル・ルピーノ。イタリア語で”小さなオオカミ”という意味です」と、来日したオーナーのウルフギャング・ズウィナーさんが話す。若々しく見えるが、今年、83歳の誕生日を迎えた。
世界的なステーキハウスのオーナーとして知られるウルフギャングさんだが、その経歴は異色である。20歳の時にニューヨークにやってきた彼は当初、叔父が経営するエレベーター会社に入社。だが肌にあわず1年で辞め、ホテル勤務を経て、1963年に名門ステーキハウス『ピーター・ルーガー』に入店した。それから約40年間、ヘッド・ウェイターとして店を仕切ってきたが、ウルフギャングさんが周囲を驚かせたのは2004年。65歳にして自らの名を冠したステーキハウスを創業し、瞬く間にニューヨークの老舗と肩を並べる名店に育て上げたのだ。
大皿でワイワイと食べるイタリアの家庭料理
そんなウルフギャングさんがハワイ・ワイキキにカジュアル・イタリアンの『イル・ルピーノ』をオープンしたのは2009年。今回、表参道にオープンした店は、その店のハイエンド版に当たるという。ウルフギャングさんと共に事業を手掛ける、次男のピーターさんが言う。
「もともと父はイタリア料理が大好きで、私が子供の頃は、日曜日ごとに家の厨房に立って、スパゲッティ・ボロネーゼやミートボールなどを作ってくれたものです。大皿に盛った料理をワイワイと食べるのが我が家のスタイルでしたので、この店でも同じように、ボリュームのある料理を大皿でお出しすることにしました」
メニューに並ぶのは、ロブスターやシュリンプ、スキャロップなどを贅沢に盛り合わせたシーフード・プラッターのほか、ライスコロッケ、ミートボール、スパゲッティ・ペスカトーレ、マルゲリータ・ピッツァ、パルミジャーノチーズのリゾットなど、日本人にも馴染みのあるものが多い。確かに量が多いので、家族や友人たちと大勢で出かけてシェアするのがいいだろう。
もちろんステーキも欠かせない。『ウルフギャング・ステーキハウス』で提供しているTボーンステーキは900度のオーブンでじっくりと焼き上げた熟成肉だが、『イル・ルピーノ・プライム』で出しているのは、熟成させていない牛肉を直火で豪快に焼き上げ、ローズマリーを添えたフィレンツェ風。もちろん使用しているのは、『ウルフギャング・ステーキハウス』と同じく、米国農務省が認めた、アメリカ国内で流通している上位2パーセント以内のプライム・グレード・ビーフだ。
「食とは本来、楽しくあるべきもの。肩ひじ張らずに、気軽に食べにきてください」と、ウルフギャングさん。最後に健康の秘訣をお聞きしてみると、苦楽を共にしてきたエレナ夫人を傍らに、ニッコリとこう答えた。「LOVE & STEAK!」。
文=永野正雄(ENGINE編集部)
(ENGINE WEB オリジナル)
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