2022.08.24

WATCHES

エルメスの新作は「乗馬の世界地図」で異次元旅行!

かつての「ジュネーブSIHH」と「バーゼルワールド」の主役級ブランドが一堂に会し、今年はリアルで開催された世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2022」。「ワンダーズ」という言葉に象徴されるように、数々の時計には新たな発見と驚きがいっぱいだ。

シリーズ第15弾は、「エルメス」。時計ジャーナリストの菅原 茂氏とENGINE編集部時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

「乗馬の世界地図」の上で時間旅行を楽しむ

針の止め時の進行を忘れさせてくれる「アルソー タンシュスポンデュ」、両半球のムーンフェイズを異例のスタイルで表現する「アルソー ルゥールドゥ ラ リュンヌ」のように、既成概念を覆す異次元の時計づくりがエキサイティングなエルメス。今年の新作「アルソー ル タン ヴォヤジャー」もそうだ。時分針を配したダイアルが衛星のように移動して世界の時を巡り、まるで目的地に向かって旅しているような気分になる。しかもダイアルの背景は、エルメスのスカーフに用いられている「乗馬の世界地図」。エルメスの発想やセンスは誰にも真似できない。



アルソール タン ヴォヤジャー
9時位置のプッシュボタンとリュウズで設定すれば、時分針を配したディスクが該当都市のローカルタイム表示になり、ホームタイムが12時位置に表示される。ダイアルの下地は、ジェローム・コリヤールがデザインしたカレ(スカーフ)「乗馬の世界地図」がモチーフ。ブルーダイアル:ステンレススティール、ケース直径38mm。予価269万5000円。ブラックダイアル:プラチナ、ケース直径41mm。予価344万3000円のモデルもラインナップする。いずれも自動巻き。3気圧防水。11月発売予定。

エルメスH08
2021年にデビューしたクッション型のモデル「エルメスH08」。新作は、ブルーのチタンケース、ブラックのセラミックベゼル、ブルーのダイアルとラバーストラップを巧みに組み合わせ、カラーと素材によってスタイリッシュなデザインをいっそう引き立てる。自動巻き。ケース縦39mm×横39mm、10気圧防水。予価84万1500円。9月以降発売予定。

菅原 どこからこんな非凡な発想が生まれるのか? 好きだな、エルメス。独創的な複雑機構もエルメスの洗練されたデザインを通じて洒落たエスプリの表現になるのは今回のデュアルタイムも同じ。実機を操作してみて、賢明かつ実用的な機構に感心した。wandering timeのwonder、こんな言葉遊びをふと思い浮かべてひとり悦に入る次第。

前田
 時分針を載せたディスクがダイ
アル上を回転し、外周に表示された都市に合わせることで各地の時刻を表示する。直感的に操作しやすく、まるでディスクそのものが地球上を動いているかのようなユニークな独自開発モジュールを搭載した「アルソー ル タン ヴォヤジャー」は、見ているだけで明るい旅気分にさせてくれる傑作だ!

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2022年7月号)
※価格は雑誌掲載時のものです。

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