2022.08.11

CARS

もうひとつのル・マン ポディウムの頂点に立ったのは世代を超えた2人の日本人ドライバー! ル・マン・クラシック2022

甲高いロータリー・サウンドを響かせる55号車のマツダ727Bの勇姿。

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歴代のル・マンの参加車両が一堂に会するル・マン・クラシック。今年は日本のファンの注目を集める2つの出来事があった。

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ル・マン24時間耐久レースの2週間後に

トヨタ・ガズー・レーシングの5連覇で幕を閉じた今年のル・マン24時間耐久レース。それから2週間後の6月30日から7月3日にかけて、本番と同じル・マン市の公道を一部使用する1周約13.6kmのサルト・サーキットを舞台に10回目となるル・マン・クラシックが開催された。

今回も1923年から29年までを対象としたグリッド1から72年から81年までを対象としたグリッド6まで、6つのカテゴリーがそれぞれ3スティントずつ、全カテゴリーあわせて24時間走るセミ耐久レースを中心に、子供たちによるエンジンカー・レース“リトル・ビッグ・マン”や、2000年代のLMPマシンを対象としたエンデュランス・レーシング・レジェンズなど、数多くのサポート・レースも催された。



トヨタ初のル・マン・カーが参戦

その中で日本のファンにとって2つの点で注目を集めたのが、7月2日に行われたグループCレーシングだ。

1つ目は74年以来、出場回数29回を誇り、レースの主催者であるACO唯一の外国人理事を務めるミスター・ル・マン、寺田陽次郎氏が91年に日本車初の総合優勝を飾ったマツダ787Bでデモランを行ったこと。そして2つ目は、トヨタとして初めて85年にル・マンに参戦した童夢トムス85C-Lトヨタで、当時のオリジナルメンバーであり、95年に日本人初のル・マン制覇を成し遂げた関谷正徳氏と、2018年にトヨタに初のル・マン優勝をもたらして以降、通算3勝を飾り、現在はトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパの副会長を務める中嶋一貴氏がタッグを組み、トムスの舘信秀会長を監督に据え参戦したことだった。



仕掛け人となったのは、85C-Lのオーナーであり、『エンジン』2020年3月号の「2台持ち特集」にご登場いただいた国江仙嗣氏。85C-Lを手に入れた時から抱いていた「このクルマを当時のメンバーと共にル・マンで走らせたい」という夢を、関係各位の協力のもと最高の形で叶えることとなった。

その期待に応え、中嶋氏、関谷氏ともに予選から素晴らしい走りを披露。決勝では水温が上昇するトラブルに見舞われるも、ベテランならではのテクニックで乗り越えて、再びル・マンのポディウムの頂点に立ったのは、とても感動的なシーンであった。

↓↓↓『エンジン』2020年3月号の国江仙さんの記事を読む
「かつて日本人ドライバーが乗ってル・マンで活躍したとんでもないヒストリーを持つクルマ」



文・写真=藤原よしお

(ENGINE2022年9・10月号)

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