2022.09.29

LIFESTYLE

【人気連載】敷地のなかに丘がある家! 塀がなくてもプライベートが保て、コストも省ける丘を使った驚きのアイディアが凄い!!

アメリカの郊外住宅のような芝生の庭が広がる。

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愛車がつくる人との縁

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そんなS邸は、もうすぐ築10年。歳月の流れを感じさせない美しい家なのは、Sさんがマメに手入れをしているからに他ならない。外壁は数年ごとに塗り直しているうえ、屋内も竣工時と同じ塗料で塗り直したという。

平面図を見て驚くのは、家の半分近くの面積がガレージなこと。夫婦それぞれのファミリー・カーが停められた奥にある引戸の向こうに、マツダRX-7(2000年製)が大切に納められているのだ。それは、2006年にRE雨宮チームがスーパーGTで優勝した際に限定で販売された、GTカーのレプリカ・ボディを後付けしたレアなクルマである。高校生の時にロータリー特有の甲高いエンジン音に惹かれ、いつか所有することを夢見たSさん。そんなことから、最初のクルマは同じマツダのユーノス・ロードスターだった。





RX-7を新車で購入すると、通勤など普段の足として使うだけでなく、結婚する前の奥様とRX-7の様々なイベントに参加。同じクルマを愛する、夫婦共通の友人を多く得ることになる。今ではRX-7を所有している仲間は少なくなってしまったが、手放したかつてのオーナー達とも、家族ぐるみの交流が続いている。クルマがつくった得難い縁だ。

残念なのは、お子さんが生まれてからは(今は、高校生と小学生)、RX-7に乗る機会がすっかり減ってしまったこと。一時は手放すことも考えたが、数多くの素敵な思い出がある。家を作る際にちょっと大きな専用スペースを設け、大事にすることにした。

「できればここに断熱を施し空調を誂えたかったのですが……」

と口にするが、かなりの豪邸でもガレージに空調のある家は少ない。クルマも家も、本当に大好きなのである。

文=ジョー スズキ 写真=田村浩章

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■ 岸本和彦 1968年鳥取県生まれ。早稲田大学大学院修了後、設計事務所を経て独立。西洋的な合理主義とは対極にある独自の住宅理論に定評が。いすゞ・ピアッツァと94年の新車時から乗り続けているフィアット・パンダのジウジアーロ・デザインの2台持ち。

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雑誌『エンジン』の大人気企画「マイカー&マイハウス」の取材・コーディネートを担当しているデザイン・プロデューサーのジョースズキさんのYouTubeチャンネル「東京上手」がスタート。建築、インテリア、アートをはじめ、地方の工房や名跡、刺激的な新しい施設や展覧会など、ライフスタイルを豊にする新感覚の映像リポート。素敵な音楽と美しい映像で見るちょっとプレミアムなルームツアーは必見の価値あり。ぜひチャンネル登録を!


(ENGINE2022年9・10月号)

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