2022.08.15

CARS

ランボルギーニやポルシェとガチンコ勝負 フェラーリの新しいGT3マシン、296GT3がデビュー

フェラーリの新しいGT3規格のレーシング・カー、「296GT3」が発表された。フェラーリ488GT3エヴォの後継車で、量産型フェラーリとしては初のV6エンジンにプラグイン・ハイブリッド(PHEV)を組み合わせた296GTBがベースになっている。

最新の空力技術を駆使

ボディからリア・ウイング、先進的な3Dデザインを採り入れたリア・ディフューザーに至るまで最新の空力技術を駆使したエクステリアは、フロントやキャビンまわりに296GTBのイメージが残されているものの、スポイラーやカナードなどの空力付加物が多数備わったフロント・バンパーや張り出しが大きくなった前後フェンダーなど、レーシング・カー然としたスタイリングに仕上がっている。ダウンフォースは前世代のレース・カーより20%高くなっているが、可能な限りドラッグは減らしている。



並外れたバランスの良さ

また、空力付加物はスリップストリームなど気流が不安定な状況下でも十分な機能を発揮し、空力特性の神経質さを抑えることにも配慮。プロだけでなくジェントルマン・ドライバーでも自信を持ってドライブできる並外れたバランスのよさをもたらしているという。

コクピットには、操作スイッチの多くを配したF1マシン風のステアリング・ホイールを採用。サベルト製のバケット・シートは昼夜問わず良好な視認性を得られる位置に据え付けられている。ドライビング・ポジションはペダルとステアリングで調整する。エアコンを装備し、常に適切な換気が行われるエア・フローを構築。長時間の耐久レースでもドライバーが集中力を維持できるような配慮も行われている。



ハイブリッド・レスのV6ターボを搭載

エンジンは市販モデルの296GTBと同系統のF163CE型こと3.0リッター120度V6直噴ターボを搭載。ただし、ハイブリッドが認められていないGT3のレギュレーションに基づき、モーターは取り外され、エンジンのみで駆動する。最高出力と最大トルクはおよそ600ps/710Nm。PHEVシステムを排除することで、エンジンの搭載位置は市販モデルより低く、キャビン寄りとなり、これにより低重心化だけでなく、488GT3エヴォより約10%高いねじり剛性を得ている。

トランスミッションは専用設計の6段シーケンシャルMT。シングルクラッチ式で、空力と重量配分を最適化するため横置きにレイアウトされ、変速はステアリング・ホイールに設置したシフトパドルで行う。ギア・ボックス・ケースはマグネシウム製で、オイル・キャッチタンクやオルタネーターも一体化することで小型化と高剛性化、整備性向上を図った。LSDはプリロード調整式だ。



トレッドと全幅を大幅に拡大

シャシーはアルミ製。ホイールベースは市販車+60mmの2660mm。前後のトレッドは前1726mm、後ろ1710mmへとフロントを61mm、リアを78mm拡幅している。それにともない全幅は92mm広くなり2050mmに達する。燃料未搭載での車両重量は296GTBより220kgも軽い1250kg。この軽量設計によりバラストの効率的な配置が可能だ。また、ボディの前後パートはトラブル時の迅速な交換が容易な構造を採用している。

サスペンションは前後とも専用設計のダブルウィッシュボーン式で、タイヤのグリップを最大限引き出しつつストレスを軽減することで、パフォーマンスと信頼性、ロングライフ化を同時に実現。セッティング幅の広さも兼ね備える。ホイールはロティフォーム社製の鍛造品だ。

この新世代フェラーリのレース・カーは2023年のデイトナ24時間でデビューする予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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