2022.09.06

CARS

日産サクラの三菱版、eKクロスEVに試乗! サクラよりちょっとお得です!!

三菱eKクロスEV。

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日産サクラとともに共同開発された実質的な兄弟車の三菱eKクロスEV。見た目以外、とくに中身に違いはないというが、その辺りを中心に確かめてみた。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

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補助金の手厚い地域で売れている


新しい専用ボディをまとい新しい名前でデビューした日産サクラに対して、いわば兄弟車のeKクロスEVは「eKクロス・シリーズ」の追加モデルという位置づけである。



SUV風の見た目はあえて同じ(グリルのクロームメッキやLEDフォグランプなど違いはわずか)、ボディの寸法や室内の広さもガソリンのeKクロスと事実上差はない。

出足は好調なようで、月販目標850台に対して7月初めの時点の受注はおよそ4600台という。もっとも同時期に受注1万8000台をアピールする日産サクラに比べればちょっと出遅れ気味か、という感じもするが、ディーラー規模を考えれば順調であり、それよりも確実にお客様に届けることが重要、と三菱関係者は慎重だ。



ちなみに現状では補助金の手厚い地域で売れているという話を聞いた。一番は東京都(独自の補助金45万円、他は5万円程度がほとんど)なのである。東京都といっても山間地もあれば村も離島もあるから、それほど不思議ではないが、いつまでも補助金を当てにしているわけにはいかないので、実質100万円引き、なんて売り方を三菱はしないとも言う。言葉の端々にBEV軽自動車のパイオニアだったi-MiEVの反省を無駄にはしないという決意が窺える。

eKクロスEVのメカニズムやボディ外寸はサクラと同じで、64psと195Nmを生み出すモーターによる前輪駆動である。容量20kWhのリチウムイオン電池と一充電走行距離180kmも同一だ。P(293万2600円)とG(239万8000円)の2グレードで、一方サクラはG、X、Sの3グレードだが、ベーシックなSグレードは装備を省略した“営業車”仕様なので実質的にはグレード構成も変わらない。

ではどこが違うかというと、メーターなどの表示内容と接近警報音の音色ぐらいのもの。乗り心地はeKの方が荒れた路面でのバタつきが小さいような気がするが、脚まわりの設定に違いはない。ただし、もっと細かく見ていくと、たとえばサクラでは5万5000円の注文装備となるAC200V充電ケーブルがeKでは標準装備。しかもレス仕様の設定もあり、その場合は1万9800円引きとなるという。アウトランダーPHEVを所有しているなど、充電ケーブルを持っているユーザーに配慮したという。そこまでしなくてもという気もするが、真面目というか何というか、まことに律儀である。ちなみに15インチ・アルミホイールもPでは標準装備(サクラは上級のGでもオプション)、形にこだわらなければeKクロスEVの方がお得なようだ。

文=高平高輝 写真=望月浩彦



(ENGINE 9・10月号)

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