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2022.09.30

CARS

2リッターで680ps！　F1譲りのハイブリッドで排気量を半減した新型メルセデスAMG・C63登場

関耕一郎

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メルセデスAMGは新型Cクラスに高性能モデルとなる「AMG・C63S・Eパフォーマンス」を追加した。

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6.2→4.0→2.0リッターにダウンサイジング

BMW・M3/M4やアウディRS4がライバルとなるスポーツ・モデルのAMG・C63は6.2リッターV8自然吸気エンジンを搭載した2世代前のCクラスからスタート。先代で4.0リッターV8ツインターボへとダウンサイジングされたが、新型ではF1のノウハウを用いた世界最強の量産4気筒に電気モーターを組み合わせたハイパフォーマンスなプラグイン・ハイブリッド（PHEV）へと進化を遂げた。



リアに204psのモーターを搭載

パワートレインは2.0リッター直4ターボに、電子制御LSDとともにリア・アクスルに内蔵された2段変速のモーターを組み合わせる。このレイアウトにより前後重量配分を最適化。モーターの出力は204ps/320Nm。通常は後輪を駆動するが、前後アクスルを結ぶプロペラシャフトにより、後輪がスリップした際にはモーターの出力を前輪へ伝達することも可能だ。さらに駆動力を後輪のみへ送るドリフトモードも設定されている。

モーターに電気を供給する駆動用バッテリーはリア・アクスル上に設置。エネルギー密度が高く、89kgの重量で6.1kWhの容量を持つ。これによりリア・モーターは常に95psの出力を発生することができるとともに、10秒間に限定されるが204psの最高出力を維持することが可能だ。



モーター内蔵ターボを新採用

AMG・A45などと同形式のユニットを縦置き用に変更したM139l型エンジンは世界初の電力アシスト付きターボを採用。吸気側のコンプレッサーと排気側のタービンとの間に内蔵した4cm幅のモーターによりターボチャージャーの回転をアシスト。エンジンが低回転の時でも十分な過給圧を作り出すとともに、スロットルをオフにしたときでも過給圧を維持することができる。さらに、ベルト駆動のスターター／ジェネレーターと400Vシステムを備える。

エンジン単体の最高出力は476ps/6725rpm、最大トルクは545Nm/5250-5500rpm。トランスミッションは「AMGスポーツシフトMCT」と呼ばれる9段ATで、トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを用いて軽量化とレスポンス向上を図っている。

プラグイン・ハイブリッドのシステム全体では680ps/1020Nmを発生。加速性能は0-100km/hが3.4秒、最高速度は250km/hに制限されるが、オプションの「AMGドライバーズ・パッケージ」でセダンは280km/h、ワゴンは270km/hまでアップできる。さらに13kmのEV走行が可能で、燃費は約14.5km/リッターをマークする。



AMGルックの迫力あるエクステリア

エクステリアは通常のCクラスより86mm長く、ホイールベースは10mm延長されている。76mm広がったフロント・トレッドをカバーするフェンダーもワイド化され、ボンネットにエア・アウトレットが備わるなどAMGモデルらしい迫力のあるルックスになる。また、フロントに備わる丸いバッジはメルセデスAMGの量産車としては初めてメルセデスではなくAMGのエンブレムとなった。

セダンはリア・スポイラー、ワゴンはルーフ・スポイラーを装着。どちらもC63 S専用デザインとなる。また、給油口の反対側にプラグイン充電用のソケットが設けられた。ホイールは19インチが標準で、オプションで20インチが選択できる。

インテリアには新デザインとなった第2世代のAMGパフォーマンス・シートをオプション設定。サイドサポート部に軽量化と通気性向上に寄与する開口部が設けられた。



後輪操舵を導入

サスペンションは、金属スプリングを用いた「AMGライドコントロール」とアダプティブ・ダンパーを採用。操舵系には３ステージ式ステアリングと後輪操舵を導入した。後輪は100km/hまでは前輪と逆位相に最大2.5度、それより上の速度域では同位相に最大0.7度切れることで、低速での敏捷性と取り回し、高速での安定性をともに高めた。

F1という最高峰のレース・フィールドで磨いた電動化技術を投入することで、スーパースポーツ並みの動力性能と、ファミリー・カー並みの経済性を両立したC63S・Eパフォーマンス。55年に及ぶ歴史において真のゲームチェンジャーだとAMGが自負する、新世代のAMGモデルだ。



文＝関 耕一郎

（ENGINE WEBオリジナル）

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