2022.11.01

CARS

ロータス初のSUV、エレトレは約3億円のロータス・エヴァイヤ級の驚くべき加速力を持つ

2022年4月のグローバル・ローンチから半年、ロータスにとって旗艦車種となるスーパースポーツカーの「エヴァイヤ」に続く第2の電気自動車=バッテリーEV(BEV)、「エレトレ」の詳細が発表された。

ロータス初のSUV

エレトレはロータス初のSUVであるだけでなく、ほかのブランドとコラボレーションした、例えばいすゞ・ジェミニやオペル・オメガ(カールトン)などを除けば、ロータスの名を冠したモデルとしては初めての4ドア・フル5シーター(ないしは4シーター)モデルとなる。



スポーツカーからの脱却

ロータスにとっては、これまでのスポーツカーのみだったラインナップを一新し、ライフスタイル・カー市場にロータスというブランドの裾野を広げるための先鋒となる1台だ。エレトレの後には4ドア・サルーンやDセグメントのクロスオーバー・カー、スポーツカーのBEVが続くことになる。

エレトレのバリエーションはスタンダードの「エレトレ」、「エレトレ“S”」、「エレトレ“R”」の3モデル。この命名方法はトヨタ・エンジンを搭載した第2世代のエリーゼ以来の、非常にシンプルでわかりやすいものだ。



ライバルはBMW・iX

スタンダード・モデルおよび装備を充実させた“S”は1モーターで、最高出力および最大トルクは603ps/710Nmを発揮する。バッテリー容量は全モデル112kWhで、一充電での航続可能距離はともに600kmだ。

これらのスペックから想定される競合車種は、BMWのBEV専用ボディを持つSUVである「BMW・iX」あたりだろうか。エレトレのバッテリー容量はiXの111.5kWhと近しく、スタンダード・モデルおよび “S”のモーターの最高出力は、iXの上位モデル、M60の619馬力と大きな差はない。



別格のスペックとなるエレトレ“R”

しかし、“R”については完全に別格だ。このモデルのみ差別化が図られ前後2モーターとなり、航続距離は490kmにとどまるが、最高出力および最大トルクはなんと905馬力/985Nmを発生する。0-100km/h加速に至っては2.95秒と、ロータスの旗艦ハイパーカー、エヴァイヤに迫る数値だ。ロータスはこのエレトレ“R”を「世界最速のデュアルモーター・ピュア・エレクトリックSUV」と公言している。

ロータスはニュルブルクリンクをはじめとするエレトレのテストの模様も公開した。ドイツのラウンハイムにあるロータス・テック・イノベーション・センターにほど近いテスト・コースで開発ドライバーのギャビン・カーショウ氏がエレトレのプロトタイプをドライブ。タイトなコーナーが連続する、まるでイギリスのカントリー・ロードのようなステージで1日を過ごした彼は「エレトレは真のロータスです」とコメントした。



英国での価格は約1500万円から

価格については、まず欧州市場のみ発表された。英本国での価格はスタンダード・モデルが8万9500ポンド(1ポンド=170円換算で1521万5000円)、“S”が10万4500ポンド(1776万5000円)、“R”が12万ポンド(2040万円)となる。トップガンであり、エレトレのイメージ・リーダーとなる“R”を除けば、BMW・iX・M60の日本市場における価格が1740万円だから、競争力は十分と見ていいだろう。

欧州でのデリバリーは2023年前半にスタート。北米やアジア、中東市場への展開については2024年中に発表される予定だ。

なお、日本市場への導入や時期、価格などは現時点では未定となっている。



文=上田純一郎(本誌)

(ENGINE WEBオリジナル)

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