7月上旬に開催されたグッドウッドFoSでのこと。ロータス・カーズのパビリオンの受付でびっちりと難解な英語で書かれた誓約書にサインをすると、多くの人々で賑わう展示スペースの裏に隠された、真っ暗な部屋に通された。そこに待っていたのは、1947年にコーリン・チャップマンがマー ク1を製作して以来、ロータスにとって130番目のプロジェクトとなるブランニュー・モデルだった。〝E〟で始まるロータス製ロードカーの慣例に倣い、EVIJA(エヴ ァイヤ)と名付けられた2座スポーツカーは、ロータスの市販モデルとして初のピュアEVである。
モーターユニットはウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング製で、500ps以上のモーターを4つのホイールに配置した、AWDレイアウトを採用。2000kWのリチウムイオンのバッテリー・ユニットは、 重量バランスを考慮しシート後方にコンパクトに纏められている。そのスペックはシステム全体で最高出力2000ps以上、最大トルク173.4kgm以上で、0 - 100km/h加速は3秒以下、最高速度は320km/h以上を謳う。

このようにロータス史上前例のない高いパフォーマンスを受け止めるため、シャシーには市販モデル初のフルカーボンコンポジット・モノコックを採用。全長4459×全幅2000×全高1122mmとエヴォーラよりひと回り大きく低いボディ・カウルもフルカーボン製となっているが、そこにエヴァイヤのもう1つの特徴がある。「これまでのロータスとは次元の異なる高いパフォーマンスを実現するため、ボディ・デザインにおいてはドラッグ低減とダウンフォースの増大を両立する必要がありました」と話すのはデザイン・ディレクターのラッセル・カーだ。彼によると、フロント・ノーズ両脇から前輪後方、そしてリア・フェンダーからテールへと抜ける大きなトンネルと、アンダー・フロアに設けられた巨大なディフューザーによるエアフローのおかげで、ウイングなどの空力付加物を備えずにLMP2マシン並みのダウンフォースが獲得できたという。さらに、F1でお馴染みのDRSが装備されているのもトピックの1つといえる。
2020年末に130台限定でデリバリーされる予定(価格は150万~200万£)ということもあり、LG製ディスプレイ・モニターや、F1マシンのような楕円形カーボン・ステアリングを備えたコックピットの完成度も高いものだった。となると気になるのが「EVになってもロータスらしさが失われていないか?」という一点だ。するとカーは待ってましたとばかりにこう答えてくれた。「エヴァイヤには軽く革新的というロータスの伝統が息づいています。車両重量は1680kgで、シャシー・ダイナミクスもハンドリング・マイスターだったロジャー・ベッカーが作り上げたセオリーに則ったものです。そういう意味でも、紛れもないロータスといえるでしょう」

文=藤原よしお
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
2026.02.14
LIFESTYLE
鎌倉の古い木造平屋を生かして、4つの「かまくら」をつないだ 家族二…
2026.02.01
CARS
ドライブは、一人旅に似ている 黄色いナロー・ポルシェに乗る皆川明の…
2026.02.06
CARS
ブライトリング×アストンマーティン降臨! クロノグラフ「ナビタイマ…
2026.02.06
CARS
酸いも甘いも噛み分けた者だけにわかる!? 地味色アルファの魅力! …
2026.01.31
CARS
18年間続けてきたポルシェ生活をやめました 国際的に評価の高い建築…
2025.12.24
CARS
フェラーリオーナーへの“最初の一歩”は、「フェラーリ・アプルーブド…
advertisement
2026.02.09
残りの人生をこのカブリオレと過ごしたい!と島下泰久(自動車評論家)が語る珠玉の1台とは?【クルマ好きが今欲しい100台:100〜91位編】
2026.02.11
一生モノのグランドツアラー! 桐畑恒治(自動車評論家)が選ぶ特別な1台とは【クルマ好きが今欲しい100台:80〜71位編】
2026.02.13
吉田由美(自動車評論家)が今ホンキで欲しい!と思う究極のデイリー・スポーツカーとは【クルマ好きが今欲しい100台:60〜51位編】
2026.02.07
「どうせ乗るならスパイダーにしろよ」北方謙三さんのひと言が背中を押した 作家・今村翔吾さんがマセラティMC20チェロに乗る理由
2026.02.14
3列シートの新型「トヨタ・ハイランダー」がなんとプリウス顔になってデビュー