傑出したカッコ良さ！　100％生まれ変わった新型トヨタ・クラウン・クロスオーバーに初試乗！

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クラウン・クロスオーバーGアドバンスト・レザーパッケージ

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リフト・アップ・セダン

担当デザイナー氏によれば、20代30代の若手デザイナーと議論を重ねる中で、威厳よりスマートさ、自由な感じを出すためにどうすればいいかを突き詰めて行ったのだという。その結果として出てきたのが、SUVとセダンのイイトコどりをしたリフト・アップ・セダン（LUS）というスタイルだったのだとか。その結果、こんな美しいシルエットを持ったクルマが生れたのだから、本当に大したものだと思う。

デザインのキモのひとつは21インチの大径タイヤを使っていることだ。なんと、クルマのデザインに合わせるために、わざわざタイヤの肩を外側に出して、ボディと一面化した専用モデルまでタイヤ・メーカーに作らせているというのだから、気合いの入り方が違うのである。

前後席ともにたっぷりとしたシートは座り心地もホールド感も良好。

さて、歴史とデザインのことばかり書いてきて、走りについて書くスペースがほとんどなくなってしまったが、それは筆者が意図してやったことだ。あまり書きたくないのである。この新しい革袋の中には飛び切りの美酒を入れて欲しかった。しかし、今回乗ったクロスオーバーGに関して言えば、中味は美酒とはいいかねた。2.5リッター直4エンジンに前後ふたつの電気モーターを組み合わせたE－Fourと呼ばれる電気式4WDシステムは、RAV4のそれをほぼそのまま持ってきたものだという。基本は前輪駆動で必要に応じて電気モーターが後輪を駆動する。ここまで大革命を起こしたのだからクラウンが後輪駆動から前輪駆動ベースの4WDになってもガッカリすることはない。しかし、それよりもデザインの新しさに見合うような新鮮な走りを見せて欲しかった。今回乗ったGの走りは、ひと言で言えば、このクルマでも使っているCVTのゴム紐がビローンと伸びていくような感触に象徴されるような曖昧な乗り味で掴み所がない。残念だ。

次に出るRSモデルでは、次期レクサスにも使われるパワートレインが乗るという、そちらに期待したい。

文＝村上政　写真＝柏田芳敬

試乗車のボディ・カラーはブラック×プレシャスブロンズのツートーン。オシャレだ。

■クラウン・クロスオーバーGアドバンスト・レザーパッケージ
駆動方式　エンジン・フロント横置き＋電気モーター4WD
全長×全幅×全高　4930×1840×1540mm
車両重量　1780kg
エンジン形式　直噴＋ポート噴射直列4気筒DOHC
排気量　2487cc
ボア×ストローク　87.5×103.4mm
最高出力　186ps/6000rpm
最大トルク　221Nm/3600-5200rpm
モーター出力/トルク　（前）119.6ps/202Nm（後）　54.4ps/121Nm
トランスミッション　電気式無段変速機
サスペンション（前）　マクファーソン式ストラット／コイル
サスペンション（後）　マルチリンク／コイル
ブレーキ（前後）　通気冷却式ディスク
車両本体価格（税込）　570万円

（ENGINE2022年12月号）

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