2022.11.06

CARS

フェアレディZを迎え撃つ GRスープラGT4がEVOに進化

トヨタ・ガズーレーシング(TGR)は、GRスープラをベースにしたカスタマー向け競技車両の「GRスープラGT4・EVO」を発売した。日米欧各地のレースで通算100回以上の表彰台を獲得しているGRスープラGT4の性能向上版だ。

クラス50勝を達成

GRスープラGT4は2019年に発表され、2020年のシーズンからフル参戦を開始。11の国や地域で勝利を挙げ、2022年8月には50回目のクラス優勝を達成した。その間に得たレース・チームやドライバーからのフィードバックを活かし、エンジンやブレーキ、ハンドリング性能を向上させたのが今回のEVOだ。



正確でリニアなレスポンスを実現

3.0リッター直6ターボ・エンジンは冷却効率アップなどの改良により、出力向上とエンジン回転数に応じたスムーズなトルク・カーブを持つ、より正確でリニアなレスポンスを実現した。最高出力は各レースのレギュレーションに応じてUSBパワースティックで調整され、最大トルクは660Nmに達する。

ブレーキはブレンボ製で、フロントが6ポット+390mm、リアが4ポット+355mmのスチール製ディスクを用いる。サスペンションはKW製のレース用調整式ダンパーとスタビライザーのスペックを見直し、ハンドリングを磨きコーナリングスピードを高めた。



デビュー戦は2023年1月

フロント・スポイラーとリア・ウイングの素材は天然繊維のコンポジット、レース用のエグゾーストはその分野のエキスパートであるアクラポヴィッチ製。駆動系にはドレクセラ製のLSDやGKN製のドライブシャフトといったレース専用アイテムを採用する。トランスミッションはZF製のパドル・シフト付きのATで、ABSは標準装備だ。

価格は18万6000ユーロ(約2740万円)。販売とサポートは日本とアジアではトヨタカスタマイジング&ディベロップメントが担当。欧州はTGRヨーロッパ、北米はTRD・U.S.A.が行う。

プロが求める精度とアマチュアに優しいドライバビリティを両立したというGRスープラGT4・EVO。デビュー戦は、2023年1月のデイトナ24時間レースと併催されるIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジ第1戦となる予定だ。日本では来シーズンのスーパー耐久シリーズ(S耐)で新型日産フェアレディZのGT4マシンと戦うことになるだろう。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement