2022.11.06

CARS

誕生からまもなく1世紀 ロールス・ロイスの旗艦車種「ファントム」の新型が公開された

1925年登場のオリジンから数えれば8世代目、BMW傘下となってからは2世代目にあたるロールス・ロイスのフラッグシップ・サルーン、「ファントム」が改良を受けシリーズ2となり、東京・寺田倉庫にてお披露目された。

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変更内容はほんのわずか

シリーズ2への改良にあたって、すでに象徴的な存在となっているファントムに大きな変更を加えないで欲しいという既存のオーナーたちの声にロールス・ロイスのデザイナーおよびエンジニアが耳を傾けた結果、変更はほんのわずかな部分にとどめられた。例えばインテリアに関しては、わずかにステアリング・ホイールのリムが太くなった程度だという。



パンテオン・グリルが光る

そんなファントムのシリーズ1と2の最もわかりやすい識別のポイントはロールス・ロイスの象徴ともいえるパンテオン・グリルだ。左右ヘッドライトの上部に設けられたLEDのラインに合わせ、グリルの上部に水平のポリッシュ仕上げのラインが新たに加えられた。

さらに先行して改良が加えられた「ゴースト」で好評だったというグリルのイルミネーションが追加されたほか、「RR」のエンブレムとスピリット・オブ・エクスタシーのマスコットをより際立たせるために、グリルの形状をわずかに変更している。

なお、このグリルやウインドウ・フレームなどについては従来ファントムでは設定のなかったダーク・カラーも用意するという。



カスタマーに対して柔軟に対応

プロダクト・スペシャリストのケンザ・サーディさんによると、この日の発表のために用意された外装が艶消しブラックで統一されたファントムのコーディネイトは英ロールス・ロイス本社の意向によって選ばれたものだとか。

このようなダーク・カラーや22インチの3D切削加工された大径ホイールなどなど、シックというよりもむしろワイルドなロールス・ロイスといえば、パワフルかつ先進的な「ブラック・バッジ」シリーズを連想する人も多いはず。

ゴーストやカリナンで人気のブラック・バッジはファントムには今のところ設定されていないが、カスタマーの年齢層や需要の変化には、フラッグシップ・モデルのファントムですら今後は柔軟に対応していく、ということの表れなのだろう。

かつて部品クオリティのプロジェクト・リーダーとしてブラック・バッジ・ゴーストの立ち上げにも関わっていたというサーディさんが車両とともに来日し、お披露目の場で登壇したことからも、ロールス・ロイスの変化をより強く感じた。



会員制アプリを導入

また、「ロールス・ロイス・コネクテッド」という会員制アプリケーションを介した顧客専用サービスもファントム・シリーズ2には採用された。アプリから直接クルマへ目的地を送信することでナビゲートが可能となったほか、クルマの位置や状態、セキュリティ状況などをアプリへ表示し、整備などの情報についてもディーラーとの連携を行うという。

ファントム・シリーズ2の価格は標準ボディが6050万円〜、ホイールベースが220mm長いファントム・エクステンデッドが7007万円〜となる。



文と写真=上田純一郎(本誌)

(ENGINE WEBオリジナル)

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