2022.12.16

CARS

「これなら普段乗りのファミリーカーとしても本当に使えますよ、お父さん!」エンジン編集長のムラカミが、ホンダ・シビック・タイプRに鈴鹿サーキットで試乗!

ホンダ・シビック・タイプR

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これが最後の内燃機関タイプRになるかも知れない5代目シビック・タイプRの試乗会が鈴鹿サーキットで開かれた。久しくシビック・タイプRから遠ざかっていたエンジン編集部編集長のムラカミがリポート。乗ってみて、その大人になった走りに驚いた。

これまでのタイプRのイメージを覆す

鈴鹿サーキットの本コースを走るのも久しぶりなら、シビック・タイプRに乗るのはもっと久々である。いったい何代前まで乗ったことがあるかと思って歴代モデルの写真を見てみたが、2001年の2代目には乗った記憶が鮮明にあるが、07年の3代目の記憶は曖昧だ。15年の先代には間違いなく乗ったことがない。しかし、タイプRに対しては、とにかくカリカリに足を固めたサーキット専用車のようなイメージを抱いていたものだから、新型タイプRを初めて見て、リアの羽根さえなければ意外にスッキリとしていて、ファミリーカーとしてそのまま使えそうな姿をしているのに、ちょっと驚いた。



さらに驚かされたのは、走り始めてすぐのことだった。なんと、これまでのタイプRのイメージをまったく覆すぐらいに乗り心地がいいのである。この日は裏の第2パドックからコース・インしたのだが、試乗車の配車基地となっていた駐車場からパドックに向かう荒れた砂利の坂道を走っても、まるで突き上げを感じない。これなら本当にファミリーカーとして普通に使えそうだ。

その時のドライブ・モードはコンフォート。そのまま、インストラクターが運転する先導車の後に連なってコース・インしたのだが、ホーム・ストレートを下って1コーナー、2コーナーを抜けてS字を登っていくところまで、コンフォートのままでも平気でグランプリ・サーキットを走れてしまうところに、新型シビック・タイプRの走りの懐の深さを感じさせられたのだ。

さらに速度を上げていった時には、さすがに少しフワッとするコンフォートよりもスポーツの方が走りやすいので切り換えたが、結果的に言うと、サーキットを気持ち良くスポーツ走行したいというのなら、よりアグレッシブな+Rモードを使わなくても、スポーツ・モードで十分に気持ち良く走れることが分かった。

マットブラックの専用19インチホイールからは赤いブレンボ製キャリパーが覗く。今回の試乗車にはオプションのミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤが装着されていた。

つまりはボディ剛性もシャシー剛性も必要十分以上のレベルが確保されているから、状況に応じてダンパーの減衰力を可変させても、全体のバランスが崩れない走りが実現できているということなのだろう。

すなわち、走りが大人なのだ。サーキットを走っていても、操作に対するクルマの動きが分かりやすいから、とにかく運転しやすいし、ドキッとするような場面に遭遇することがない。それでいて、踏めばタイプRの名に偽りがない速さを見せるのだから、これはとんでもないところまで進化したものだと、走行1周目にして深く感心させられたのである。

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