2022.12.16

CARS

「これなら普段乗りのファミリーカーとしても本当に使えますよ、お父さん!」エンジン編集長のムラカミが、ホンダ・シビック・タイプRに鈴鹿サーキットで試乗!

ホンダ・シビック・タイプR

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シフト・フィールも素晴しい

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気持ちいいのは乗り心地やハンドリングだけではなかった。マニュアル・ギアボックスの感触が素晴しいと思った。かつてのホンダのスポーツ・モデルというと、タイプRに限らず、S2000などもそうだが、手首を返すだけでカンカンとシフトしていけるような、ショート・ストロークで金属的な感触のシフト・フィールが売り物だった。しかし、この新型タイプRはそれとはまったく違う。長すぎず短すぎずの絶妙なストロークで、スッとエンゲージする、これまた大人なフィールのギアボックスになっている。しかも、自動でブリッピングしてくれるレブマッチ・システムの出来が素晴しいものだから、ヒール&トゥなんて煩わしいことは一切考えることなく、走りに集中できるのも、アマチュア・ドライバーには有難い限りである。

タイプR伝統の赤いシートに赤いカーペットを敷きつめたインテリア。センターコンソール中央の大型スクリーンには様々な走行情報を表示できるほか、サーキット走行時にはリミッターを外せる機能も付いた。

さて、ホンダのスポーツ・モデルを語るのにエンジンの話が後回しになったのは申し訳ないが、むろん、自ら“出力・トルク・レスポンスを磨き上げた究極の”と謳う2リッター直4Vテック・ターボ・エンジンも、こんなに進化したのかと目を見張らされるくらいに良かった。下のトルクを無視して、ただただ上までブン回していたかつてのホンダ・スポーツ・エンジンとは違って、下からしっかりトルクも出ているし、それでいて回せば回しただけリニアに吹け上がっていく感触がたまらなく気持ちいい。エンジンも大人なフィールになったなぁ、と私はつくづく味わって乗ってみたいと思ったのである。

この試乗会にはプロのレーシング・ドライバーもたくさん参加していて、2分26秒台の驚異的なタイムを出している人もいた。そういう究極の走りにも耐えられるマシンが、2分50秒くらいで気持ち良くスポーツ走行しても最高に楽しいという懐の深さにこそ、この新型の真骨頂があるのだと思った。しかも、これなら普段乗りのファミリーカーとしても本当に使えますよ、お父さん!

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬

リアから見るとノーマルと違うルーフの低さがわかる。

■ホンダ・シビック・タイプR
駆動方式 エンジン・フロント横置き前輪駆動
全長×全幅×全高 4595×1890×1405mm
ホイールベース 2735mm
車両重量 1430kg
エンジン形式 直噴直列4気筒DOHC
排気量 1995cc
ボア×ストローク 86.0×85.9mm
最高出力 330ps/6500rpm
最大トルク 420Nm/2600-4000rpm
トランスミッション 6段MT
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前) ブレンボ製大径通気冷却式ディスク/(後)ディスク
タイヤ(前後) 265/30ZR19
車両本体価格(税込み) 499万7300円

(ENGINE2022年12月号)

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