2022.12.09

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ポディウムで勝者たちを祝福するF1公式スパークリング・ワイン、フェッラーリ 3年ぶりに開催された鈴鹿、日本グランプリで輝く!!

F1の世界でFERRARIと言えば、跳ね馬のエンブレムを持つイタリアの名門チームがすぐに思い浮かぶが、実はもうひとつ、F1といい関係を結んでいる同名の会社があるのをご存じだろうか。日本グランプリの現場で、それを見てきた。

ジュリオ・フェッラーリの挑戦

よろこびがはじける祝福の酒である発泡性ワインのシャンパーニュが誕生したのは、16世紀とも17世紀ともいわれるけれど、そのはるか前から、シャンパーニュ地方産の無発泡の赤ワインは、中心都市ランスの大聖堂において催されてきたフランス国王の戴冠式の際に、祝福の酒としてふるまわれてきた。黒ブドウの産地としては北限にあたるシャンパーニュ地方の、冷涼で、酸味の勝った、軽く、果実味ゆたかな赤ワインがまず、そしてのちには、やはり冷涼で、酸味の勝った、軽く、果実味ゆたかな白やロゼのバブル・ワインが、祝祭には欠かせぬものとなった。いまシャンパーニュといえば、それはもっぱら後者のスパークリング・ワインのことをさす。

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瓶内に残存していた酵母が自然発酵して発生した偶然的な瓶内2次発酵を、意識的におこなうようになって誕生したシャンパーニュの製法を「メトド・トラディショネル」(伝統製法)とフランスではいう。このメソッドをシャンパーニュの地で学び、オーストリアとの国境に近い北イタリアのトレンティーノ・アルト・アディジェ州のトレントに、シャルドネ種のブドウとともに持ち込んで、オリジナルのスパークリング・ワインづくりを、1902年、23歳のときにはじめたのが、ジュリオ・フェッラーリである。かれは、この製法を「メトド・クラッシコ」(古典製法)と呼び、いかなる思いがあってか、シャンパーニュよりはるか南の地で、しかし、シャンパーニュよりはずっと海抜の高い山腹にきりひらいた畑で、つまりは、低緯度(ロウ・ラティチュード)を高高度(ハイ・アルティチュード)で補正して、瓶内2次発酵ワインづくりにいどんだのであった。



そして、F1選手権のはじまりから今日まで、休むことなくF1をたたかいつづけている唯一のレーシング・チームであるフェラーリと同名のこのワイン・メーカーは、2021年から、FIAフォーミュラ世界選手権の表彰台で、勝者たちを祝福する公式スパークリング・ワインとなった。

イタリアのスパークリング・ワインに、シャンパーニュのほぼ専用席であったこの地位が与えられたのは、F1史上はじめての画期的な出来事である。

現在のフェッラーリを経営するのは、しかし、創業者のジュリオ・フェッラーリの一族ではない。ジュリオには子がなかった。両次の大戦をのりこえ、創業50年後の1952年に73歳となったジュリオは、トレントでワイン商を営んでいたブルーノ・ルネッリにフェッラーリ事業の将来を託したのであった。いま、その衣鉢をついでフェッラーリ社をCEOとして率いているのは、ブルーノの孫の世代にあたるマッテオ・ブルーノ・ルネッリである。付記すれば、1952年には9000本だったフェッラーリの年産は、いまは680万本(2021年実績)にも達している。この急増はルネッリ一族による経営の成功と、スパークリング・ワイン市場の、すさまじい成長を物語っている。

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マッテオ・ルネッリ

ミラノの名門ボッコーニ大学を出てゴールドマン・サックスに入社し、チューリッヒ、ロンドン、ニューヨークでの5年の勤務経験を経たのちにファミリー・ビジネスに飛び込んだマッテオは現在48歳。「F1とのパートナ―シップは長年の夢だった」と、10月9日、日曜日、日本グランプリの決勝直前の、鈴鹿サーキット内のVIPラウンジのひとつ「パドック・クラブ」のなかで語った。

「私の叔父のジーノ・ルネッリはエンツォ・フェラーリの友人でした。ミラノに住んでいた7-8歳のころ、その叔父や父とモンツァに行き、サーキットの下を通るトンネルで、真上を走るF1マシンの轟音を聞いたときの興奮は、いまでもはっきり覚えています」という。1980年前後のイタリアの少年にとって、F1をたたかうフェラーリは、みずからの誇りそのものであったに相違ない。そして、マッテオにとっては、イタリア国民の誇りであるところの名が、業種こそちがえ、家業をも意味していた。これを因縁といわずしてなんといおう。



「フェッラーリは、スポーツをはじめとした数々の文化的イベント、そしてイタリアの大統領官邸において催される国家的行事や儀式にとって欠かせない、イタリアで最上級の祝福のワインです。そのフェッラーリが、もっともアイコニックな世界的イベントであるF1の公式セレブレーション・ワインになったのです。これほど名誉なことはありません」

F1の公式スポンサーとなるための交渉は、2019年9月、少年マッテオにとって思い出の地であるモンツァでのグランプリのときにはじまり、2020年に、翌2021年からの3年間の契約が締結された。そして、このほど、それがさらに2年間、延長されることも決まったという。そうして、F1史上はじめての、公式スパーリング・ワインの座の、イタリアのスパークリング・ワインによる獲得は、たんに、フェッラーリ社とマッテオのプライドを満足させただけのことではない。そこには、それ以上の意味がある。

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かがやく星はひとつではない

マッテオの話をつづける。

「フェッラーリがF1の公式スパークリング・ワインになったからといって、シャンパーニュが、ハイエンド・スパークリング・ワインの指標でなくなったわけではありません。偉大なシャンパーニュを飲むのは私にとってもよろこびですし―。とはいえ、より多くの人々が理解しはじめているのは、卓越したスパークリング・ワインがシャンパーニュ産ばかりであるとはかぎらないということです。イタリアにも、オーストラリアにも、南アフリカにも、そしていまやイングランドにも偉大なスパークリング・ワインがある時代です。つまり、ワインの世界でも、多様性が認められてきているのです。そんななかで、私たちのフェッラーリは、1世紀をこえる歴史を有するということのうえに、海抜800メートルにいたるまでの高地にヴィンヤードを展開するマウンテン・スパークリング・ワインであるという非常に強力なアイデンティティをもっています。そうそう、先日、『ニューヨーク・タイムズ』紙にいい記事が載っていました」

マッテオは一気に話す。

「スパークリング・ワインの世界は、ひとつの太陽とそのまわりをまわるたくさんの惑星からなる太陽系のようなものではない、むしろ、それは無数の星がかがやく銀河系である、と、その記事にはありました。じっさい、いまでは、シャンパーニュがゆいいつの輝く星ではありません。フェッラーリは、また別のスターです。偉大な赤ワインがブルゴーニュにしかないといえないのとおなじように、偉大なスパークリング・ワインはシャンパーニュ以外にない、とはいえないのです。ワインの世界のうつくしさは、この世界のうつくしさ同様、そのダイバーシティ(多様性)にあるのです。フォーミュラ1がフェッラーリを受け容れたのは、フォーミュラ1がイノヴェーションの世界であることに呼応している、と私は受け取っています」

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Z世代が変えるF1

F1の変化についてもうひとつ触れておきたいことがある。いま、Z世代をふくむ若者のあいだでF1ファンが世界的に急増しているということがそれである。そのドライビング・フォースとなっているのが、2019年3月からネットフリックスでの配信がはじまったF1チーム関係者やドライバーを追ったドキュメンタリー・テレビドラマ・シリーズの「ドライヴ・トゥ・サヴァイヴ」である。その概要をここで詳述することは控えるけれど、F1チャンピオンシップ争いの1年間にわたるたたかいのシーンを背景として、そこで繰り広げられる“人間ドラマ”に焦点を当てる劇的構成が、従来の、レース主体のF1番組には興味をもたなかった「マニア」ではないF1ファンを、各国で大量に生みだしたといわれる。なかでも、アメリカでのF1人気の高まりは著しく、おかげで来年はアメリカで3回のGPがたたかわれることになった。



F1は2026年から、レギュレーションを一新し、電気モーターとバイオ燃料をふくむ代替燃料を燃やす内燃機関の併用によるパワー・ユニットを搭載することになる。それは、世界的な気候危機の深刻化にたいして、自動車が応分の責任を果たしていくことの一環であるけれど、そうしたなかで、F1マシンの速度的な高性能化ではない高性能化が、はかられようとしている。「ドライヴ・トゥ・サヴァイヴ」が、競技そのものよりも、それをたたかう者の内面的な葛藤や成長に焦点を当てて大きな共感を得たことは、シーンからの「マシン」の後景化とともに人間の前面化を意味しており、それは、フェッラーリが公式スパークリング・ワインになったことにも示されるエリート的な「F1文化」のパラダイム・シフトと軌を一にする事態であるようにおもえる。

固定化し、膠着したレース観や価値観から、僕たちが、しだいに解放されつつあるのだとしたら、それは、一杯のフェッラーリによって、祝福されてしかるべき変化であるとおもうのである。

文=鈴木正文 写真=レッドブル/日欧商事

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お問い合わせ先:輸入元・日欧商事株式会社 Tel.0120-200105



※F1 のロゴ、FORMULA 1、F1、GRAND PRIXおよびこれらの関連マークはFormula 1会社のひとつである Formula One Licensing BVの登録商標であり、無断複写・複製・転載を禁じます。

(ENGINE2023年1月号)

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