2022.12.12

CARS

まるで汚部屋の大掃除? ヤフオク7万円・走行約16万kmのシトロエンはどこまで綺麗になる?【エンジン編集部員のシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#12】

エンジン編集部員が隔週連載でお届けするシトロエン・エグザンティアの修理奮闘記!

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部品を1つ1つ外していくと、隙間という隙間には、膨大な砂や綿ぼこりが入り込んでいた。整備前に車内は掃除機をかけておいたのだが、当然まったく取り切れていない。バラして掃除して、またバラして掃除。延々その繰り返しだ。特にエアコンやヒーターのユニットからフィルター、エアダクトの周囲にかけては砂ぼこりがびっしりと内側に張り付いていた。おそらくスギ花粉など、アレルギーの原因になるものも含まれているだろう。

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外せるところはすべて外し、丁寧に室内の隠れていた部品たちを水洗いすると、黒々と光る綺麗な樹脂の面が現れる。最終的に25年分の汚れが消え去り、元通りに部品が組み上がると、クーラントの甘い臭いとともに、室内のかび臭さもきれいに消え去った。

どこから潜り込んだ!?


これまで何台もの中古車を手に入れて掃除をするたびに、色々なものを車内で見つけてきた。海外の硬貨や、置き忘れられた工具、製造時のスタッフのメモ書きを見つけたこともあった。でも今回、エグザンティアの中からは、ちょっと想像を超えるものが出てきた。シートの隙間にでも落ちていたのならまったく驚かなかっただろうが、ヒーター・ユニットを分解し、コアを取り外したその奥から、なんと「きかんしゃトーマス」に登場する主人公トーマスのミニチュアが現れたのだ。ちょうど子供の手のひらに乗るくらいのサイズである。





いったいどうやってこんなところに潜り込んだのだろう? 前オーナーからは小さな男の子がエグザンティアに乗っていたという話は聞いたことがなかった。ましてやヒーター・ユニットの内部である。何かのひょうしにめくれ上がったデフロスター部分から入り込んでしまい、それが走りながら揺すられ、とうとうこんな奥底までたどり着いたのだろうか。おそらく走るたびに周囲にぶつかって、かたことと不思議な音を奏でていたに違いない。異音が出ると苦情を言っても、絶対に見つけることはできなかっただろう。

さて、インテリアをここまで分解したことで、ヒーター・コアからのクーラント漏れと、ダッシュボードのデフロスター部分のめくれに加え、さらに以下の問題が発覚した……。

1. イグニッション・キー回路の断線とリレー後付け(過去の修理)
2. スペア・キーの1つが、片面でしかシリンダーが回らない(キーの切削不良)
3. ステアリング・ロック不調(経年劣化でロックが外れにくい)
4. 室内エアコン・センサー・ファン回路の断線(過去の修理)
5. 奥行き不足で配線が収まらず、オーディオが前面にずれ、ラジオ・アンテナが断線(過去のオーディオ交換)
6. グローブ・ボックスのロック不良(経年劣化)
7. ブロアー・ファン内部フィンに亀裂(経年劣化)
8. ブロアー・ファンの動作不良(レジスター不良)
9. エアコン動作スイッチのイルミネーション不灯(接触不良)

次回はこの山積みとなった修復作業の模様と、ダッシュボードの組み付け作業を紹介する。カークラフトでは過去の経験上、これくらいの不具合は当然と考えていたようだが、いやはや、まだまだ先は長い……。

■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年4月時点までの整備の支払い総額は213万9326円)
導入時期 2021年6月
走行距離 15万9247km(購入時15万8970km)

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=神村 聖/カークラフト

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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