ミュージシャの長岡亮介さんと、愛車のシトロエン・アミ6。
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クルマ好きで知られるミュージシャン、長岡亮介さんは、Dスーパーとアミ6というシトロエン2台持ち。クルマはデザイン優先で選ぶという長岡さんが現行モデルでこれだ! と指名したのは?デザイン優先で選ぶとクルマはもっと楽しくなる!“デザイン優先のクルマ選び”という言葉で最初に頭に浮かんだ人物が長岡亮介さんだ。「ペトロールズ」というスリー・ピースのバンドを率いる長岡さんは、「東京事変」のギタリスト“浮雲”として、あるいは星野 源などのサポート・ギタリストとしても有名だが、クルマ好きとしてもすっかりお馴染みのミュージシャンである。現在はシトロエンDスーパー(1972年型)とシトロエン・アミ6(1963年型)の2台持ち。“デザイン優先”で選んだラインナップであることは一目瞭然だ。取材スタジオにも淡い水色のアミ6でトコトコとやってきた。「シトロエンとの最初の出会いは大学生のときです。街でDSを見てギョッとしました。それからシトロエンの本をたくさん買って、シトロエンの世界にどんどん引き込まれていったんです」長岡さんはシトロエン入門用として最初に93年型のBX19TZIを購入した。「イカダに乗って川を流れているような乗り心地に驚いたのを覚えています。いわゆる後期型なんですけど、ハイドロもまったく問題なくとても優秀でした」アミ6は旧車入門用初めてのシトロエンの調子が良かったことも背中を押したのだろう、シトロエン旧車入門用として増車したのが、アミ6だ。「シトロエンの本でアミ6を知ったのですが、デザインにショックを受けました。なんと言ってもリアのクリフ・カット(リア・ウィンドウが逆傾斜している)と、フロント・マスクですね。フロントのデザインは途中でやめちゃったのかな?って思いましたけど、すごく癒やされる表情をしていますよね」BXは2台乗り継いだあと、DSに乗り換えた長岡さんだが、アミ6にはずっと乗っている。ボディや内装が綺麗なのは再塗装と張り替えを行ったからだ。「こんな小さなエンジン(602cc2気筒)と、こんなに細いタイヤで事足りるどころか、豊かな気持ちにさせてくれる。路面によってはピッチングがおさまらず、ポヨンポヨンと跳ねる乗り心地も愛嬌ですよ」スタジオでじっくりとアミ6を見る。つくづく変わったデザインだと思う。エンジン・フードの先端は溶け出したようにノーズに垂れ下がっているし、フロント・ウィンドウ下の空気取り入れ口の形状も独特だ。そんな変わったクルマを愛する長岡さんにデザイン優先でクルマを選ぶとしたら? と聞き、車名を挙げてもらった。「そもそもクルマ選びはデザイン優先です。まず、RUF CTR。まあ、古いポルシェがいいっていうハナシかもしれないけど(笑)。旧車ならトヨタ2000GTはやっぱり綺麗だと思うし、アルピーヌA310、プジョー504、ランチア・ベータ・モンテカルロも好き。プロポーションが魅力的なのがいいですね」現行モデルで選ぶとしたら?「最近のメルセデス・ベンツはEQシリーズがスッキリしたデザインになっていて好きです。でも、1台選ぶならこれかなあ?」ジャーン! なんと、長岡さんが選んだのは商用車ベースの軽バン、ホンダN-VANだった。「デザインし過ぎていない感じが好きです。大学では建築学科にいました。空間の印象を決めるのは縦、横、高さ、奥行きだと教わりました。このクルマを見て、まさにそうだなあと。ごちゃごちゃしていなくて、潔いデザインだと思うんです。全体的な印象が極めてシンプル。“シンプルさは究極の洗練である”というのは、レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉ですけど、そういうものをこのクルマからは感じるんです」なるほど、確かにシンプルなデザインだが、愛嬌があるというか、温かみを感じるクルマである。「ルーフへつながる四隅が尖らずに丸くなっていること、フロント・バンパーに丸みがあること、デイ・ライトが円であることなどが、愛らしい印象を与えているのかもしれません。これはレジャー用の“+スタイル”というグレードなんですが、商用バンとボディが同じなんです。ほかのメーカーだと、商用バンとレジャー用はボディが違ったりするんです。でも、これはまったく同じ。同じなのにこんなに楽しい感じがするのは凄いと思いませんか?」
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