2022.12.29

CARS

名門復活なるか? カウンタックやストラトスを生んだベルトーネが新型スーパースポーツを発表

1912年にカロッツェリアとして創設され、100年以上の歴史を誇るベルトーネからスーパースポーツの量産モデル「GB110」を発表した。車名は創立者のジョバンニ・ベルトーネのイニシャルと、会社創設110周年にちなんだものだと思われる。

数多くの名車を輩出

ベルトーネはカロッツェリアとして数多の名車のデザインに携わってきた。スーパーカーのマイルストーンである「ランボルギーニ・カウンタック」は鬼才マルチェロ・ガンディーニがベルトーネ在籍中にデザインしたもの。



初代ファミリアはベルトーネ・デザイン

そのほかにも、「ランボルギーニ・ミウラ」や「ランチア・ストラトス」といったスポーツ・モデルから「シトロエンBX」や「エグザンティア」などの実用車、さらに初代「マツダ・ファミリア」といった日本車まで、幅広い車種を世に送り出してきた。それらのクルマのボディにはベルトーネのエンブレムが誇らしげに飾られたものだ。

しかし、2000年代に入って2度の倒産を経験。2020年に新たな経営者を迎え、現在は新体制のもとで再起を図っている。そんな新世代の幕開けを世に問うGB110には過去の名作の面影がそこかしこに見て取れる。

初代マツダ・ファミリア

カウンタックやストラトスの面影

たとえば、ウェッジ・シェイプとボディ・サイドのC字型エア・スクープはガンディーニの傑作でストラトスのデザイン・スタディである「ストラトス・ゼロ」や「アルファロメオ・カラボ」にインスピレーションを受けているのは明らかだ。また上から見れば、曲線の連続にフランコ・スカリオーネが描き出した「アルファロメオBAT」シリーズの影響を感じられる。

ドアはカウンタックのトレード・マークともいうべきシザーズ・タイプを採用。その下部分にウインドウをはめ込むアイデアは「ランボルギーニ・マルツァル」の大胆なガラス・ドアに着想を得たものだという。そうした数々の要素を詰め込みながら、オーソドックスなスーパーカーらしいスタイリングに仕上げるあたりは老舗カロッツェリアの面目躍如といったところだ。



1100psのガソリン・エンジンを搭載

スペックも興味深い。シャシーはドイツのマニュファクチャラーのコンポーネンツがベースとなっている。ホイールベース2630mm。これは「ランボルギーニ・ウラカン」と「アウディR8」の間くらいの長さで、ボディ・サイズもそれらに近いものだと推測される。搭載するパワートレインは内燃エンジンで、パートナー企業のセレクトフューエル社が開発したプラスチックをリサイクルした燃料で動くという。

エンジンは最高出力1100ps以上、最大トルク1100Nmを謳い、8400rpmまで回るという。加速タイムは0-100km/hが2.79秒、0-200km/hが6.79秒、0-300km/hが14秒で、最高速度は380km/hを超えるという。トランスミッションは7段で、駆動方式は4WDだ。



33台の限定販売

鍛造ホイールに履くタイヤはフロントが255/30R21、リアが335/25R22。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンで、コンベンショナルなコイルスプリングとスタビライザーに4段調整式ダンパーを組み合わせる。

生産台数は33台の予定。かつてベルトーネの作品に魅了された身としては、ここから「b」のエンブレムがかつての輝きを取り戻し、GB110に続くドリーム・カーが誕生するよう、プロジェクトの成功に期待するばかりだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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