2022.12.31

CARS

果たしていくらで落札されるか? ブガッティ最後のW型16気筒モデルがサザビーズに登場

ブガッティは8.0リッター16気筒という巨大なW型エンジンを積むハイパーカーの終幕を告げるワンオフ・モデル、「シロン・プロフィレ」を発表した。これがW16エンジンを積むブガッティ最後の1台となる。

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速さとエレガントさを兼ね備える

2020年に発表したシロン・シリーズの中でも速さを追求した「シロン・ピュールスポール」をマイルドな方向に仕立て直したもの。限定60台を瞬く間に完売したピュールスポールはコーナリング性能を高めたモデルで、横幅1.8mの固定式リア・ウイングやギア比の低いトランスミッション、先進的なマグネシウム・ホイールをはじめとする新たな装備を加えていた。プロフィレは、評判の高かったピュールスポールの性能とシロンが本来持つエレガントさを兼ね備えるモデルを望む声に応える仕様になっている。



「ブガッティ・タイプ46」から命名

特徴的なのは固定式のリア・スポイラー。GTウイングのように大きなピュールスポールのウイングと比べると小柄だが、上面でダウンフォースを生み、ピュールスポールを30km/h上回る380km/hの最高速度域でもスタビリティとコントロールを確保する。さらに、下部では負圧を発生させてエンジン・ルームから熱気を抜く。プロフィレの名は、同様にリアを跳ね上げたフォルムを持つ「ブガッティ・タイプ46スーパープロファイル」へのオマージュから名付けられた。

フロントにはワイドになったエア・インレットと拡大された馬蹄型のグリルが与えられ、冷却性能を向上。さらに、アンダー・ボディと合わせてエア・フローを改善しするとともにより大きなダウンフォースを生むスプリッターも装備する。



インテリアにはレザー織を採用

ボディ・カラーは専用色のアルジャン・アトランティークで、下回りは無塗装で染色されたブルー・ロワイヤル・カーボンを用いる。ホイールは馬蹄グリルをイメージした形状のポリッシュとカーボン地にマッチする色調を組み合わせた専用品だ。

インテリアではシロン初のレザー織を採用。総延長2500mを超える細切りの革を複雑に織り上げた表皮でダッシュボードやドア・パネル、センターコンソールを覆う。シートはグレー系のグリ・ラファールとディープブルーのレザーを使用し、エール・パラードと呼ばれるパターンのキルティングが施される。



0-200km/h加速は5.5秒

ピュールスポールと同じ1500psを発生する8.0リッターW16クワッドターボ・エンジンと、スポールより15%ローギア化されたトランスミッションを搭載。加速性能は0-100km/hが2.3秒、0-200km/hが5.5秒。ちなみに、0-200km/h加速の5.5秒はメガーヌR.S.の0-100km/h加速の5.7秒よりも速いのだ! シャシーはスポールより10%ハードなスプリングを備え、後輪のネガティブ・キャンバー角は50%増。快適性を損なうことなくコーナリング時のグリップ強化を図った。

このプロフィレは2023年2月1日にRMサザビーがパリで開催するチャリティー・オークションに出品される。W16を積む最後のブガッティを新車で手に入れるには、これが唯一残された機会となる。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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