2021.08.07

CARS

ブガッティが新興EVメーカーのリマックとタッグ 新会社「ブガッティ―リマック」誕生

フォルクスワーゲン傘下のスーパースポーツ・カー・ブランドのブガッティ・オトモビルはEVハイパーカーの開発・生産を行うリマック・アウトモビリとポルシェが設立した合弁会社に籍を移す。今後は「ブガッティ−リマック」として活動することになった。

ポルシェとリマックが出資

新会社はブガッティの名が冠されているものの、実際はポルシェが45%、リマックが55%出資している。1998年以来、ブガッティを傘下に置いてきたフォルクスワーゲンは新会社の設立まで関与するものの、運営に直接タッチしない。フォルクスワーゲンが所有していた株式は新会社が設立後にポルシェに譲渡される。つまりフォルクスワーゲンがリマックに出資を募った、もしくは救済を求め、そのお目付け役にポルシェが選ばれたと解釈するのが正しいかもしれない。しかし複雑なのは、ポルシェは現在もフォルクスワーゲン傘下にあり、また2018年からはリマックの株主に名を連ねてもいること。どうやら単純なM&Aというより、戦国時代の政略結婚のように複雑な提携といった趣だ。



ブガッティも電動化に万進か

リマックは2009年にクロアチアで設立され、電力で走行するハイパーカーを世に送り出して注目を集めた。150台限定で生産を進めている「ネヴェラ」は1914psを誇り、0-100km/h加速は1.85秒、最高速度415km/hと、ブガッティ車のライバルになりえる数少ないモデルだ。合併後もネヴェラの生産は続けられる。

ブガッティもフランスのモルスアイム工場でシロンの生産を継続するが、将来的には合弁会社によるブガッティ名義の新型車開発も計画されている。電動ハイパーカーの実現に向け、ライバル同士が手を組むことになる。さらに、パフォーマンス・カーの電動化に関するノウハウは、ポルシェを経由してフォルクスワーゲングループ各社でも活用されると予想される。

新会社の本社はクロアチアのザグレブに置かれ、リマックの創業者であるマテ・リマックがCEOに就任。ポルシェからは、オリバー・ブルーメ会長とルッツ・メシュケ副会長が監査役会に加わる。現在は各国の独占禁止法規制当局の承認待ち段階にあり、設立は今年第4四半期となる予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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