2023.03.18

LIFESTYLE

施主が予想もしなかったアッと驚く創造的な提案! ワクワク感が想像力をかき立てる!! 中からも外からも色が溢れ出すカラーチャートのような家とは

カラーチャートのようにカラフルな柴田邸。

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、どこか遊園地を思わせる、色彩に溢れた家を紹介。グラフィックデザイナーのご夫婦が暮らす家は、どのようにして生まれたのか? デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

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2階の屋根にオレンジ色の“箱”が?

川崎市の落ち着いた住宅街に突如現れる、2階の屋根にオレンジ色の“箱”が乗った家。ここは東京メトロのフリーペーパー『メトロポリターナ』などのデザインを手掛ける、グラフィックデザイナーの柴田裕介さん(40歳)・加奈子さん夫妻の住まいだ。

事務所を構える表参道まで、電車の乗り換えなしで通える世田谷区のマンションで暮らしていた柴田さん。上のお子さんが小学校に上がるタイミングに合わせて家作りを始め、2022年夏この家に引っ越した。



「ゆとりのある暮らしがしたいと考え、家を持つことにしたんです。なかでもクルマは重要です。最近はカーシェアも増えましたが、思い立ったらすぐ出かけられるのがクルマを所有する良いところ。子供を連れて、郊外や音楽フェスなどを訪れています」

柴田さんの愛車は、マツダCX5。8年前、長男が誕生する少し前に柴田家に新車でやってきた人生初のマイカーである。最初は、とある輸入SUVを考え中古車に試乗したが、期待したほどではなかった。その帰り道にマツダの販売店があり、気になっていたCX5のディーゼル・モデルに試乗。直前に乗った輸入車よりも断然走りが良く、即決したという。

建築家を先に決めて

クルマを所有して考えたのは、車庫を借りたうえで、子供部屋がある世田谷の少し広いマンションに引っ越すより、同じ鉄道沿線で多摩川を渡った川崎市に家を建てた方が経済的なこと。こうして土地探しが始まった。柴田さん夫妻がユニークなのは、土地をみつける前に、建築家の山田紗子さんに設計依頼をすると決めていたこと。まだ若く、当時は手掛けた住宅も少なかったが、雑誌で紹介されていた自邸(137ページに写真)の記事で興味を持っていたのである。

「普通であれば、家を建てる際に使う足場を庭に組み立て、それで上下階に行き来ができる外部テラスとして使った発想が面白い」と、山田さんの創造性に惹かれてコンタクト。土地探しの方法などで教示を受けながら、家作りの準備を進めていった。そして見つけたのが、公園の横にある今の敷地だ。三角形の変形敷地に取り壊し予定の古屋が建っており、2階の高さから駅への道と、遠くに富士山が見えるのも決め手となった。

柴田さんが建築家に望んだのは、「子供との距離が近い家」。あとは自分の仕事の経験から、「リクエストが多いと面白い発想がなかなか生まれてこないので、山田さんらしさが発揮できるよう、あまり要望は出さなかった」と話す。

屋根の上も丁寧に色彩が考え抜かれているのが分かる。2カ所ある、「ロ」の字に一段高くなったエリアが、将来、子供部屋が建つ予定の場所。階段からの登り口は、天窓で塞がれている。赤い煙突は1階のバスルームからつながっている。
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