2023.03.18

LIFESTYLE

施主が予想もしなかったアッと驚く創造的な提案! ワクワク感が想像力をかき立てる!! 中からも外からも色が溢れ出すカラーチャートのような家とは

カラーチャートのようにカラフルな柴田邸。

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見たことのない家

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この依頼に対する建築家の回答は、2人の子供が幼いうちは家族4人が大きなワンルームで暮らし、子供たちが成長して個室が必要になったら、2階の屋根の上に2部屋を増築するプラン。現在は2階にオレンジ色の箱が一つ乗った形だが、将来は3つに増やす計画だ。しかもそれぞれの個室に上がる3つの階段を最初から設置。増築予定の子供部屋に繋がる天井開口部は、ガラスの天窓で塞いだ。上のお子さんが、将来自分の部屋に繋がる階段の上部に大切なものを置き、専有スペースとして使っているのが微笑ましい。

だが、柴田邸を訪れて「見たことのない特別な光景」と思わせるのは、階段よりも家の内外に溢れる色だ。どこか遊園地に通じる、非現実的な世界の持つワクワク感がある。もっとも建て主は、色の溢れる家を依頼した訳ではないし、色は山田建築の特徴ではない。家を建てる前に建築家は世田谷の柴田邸を訪ね、暮らし方を見ているが、それとて色の多い家ではなかった。

ところが山田さんは、柴田さんがふと漏らした言葉――窓枠に色があってもよいのでは――を汲み取ったうえで膨らませ、色の溢れる家を設計したのである。この予想もしなかった創造的な提案こそ、柴田さん夫妻が望んでいたことだ。色の選定は細やかで、床や柱、前述の3本の階段にはそれぞれ異なる色が与えられている。そのうえ床、天井、そして壁には、光を反射する塗装が施され、映り込んだ色が混ざり合ってなんとも不思議な印象を与える。建築に応えるべく柴田さんは、新たに購入する家具も色鮮やかなものを選び、既存の家具には色を塗り、イベントで使った大胆な柄のファブリックを家具の背板に貼るなど、自身のテイストを加えた。さらに建築家が見立てた、温かみのあるちょっとレトロな自然素材の家具も加わり、クリエイター夫婦が暮らすに相応しい唯一無二の家が完成したのである。



もっとも新居はカラフルなのに、愛車が紺なのは少し違和感が……。

「残念ながら選択肢が少なくて。好みの色への全面塗装も考えましたが、調べてみるとかなりの費用なので諦めました。とはいえ子育てをしている家族にとっては本当によくできたクルマなので、このまま長く乗り続けると思います。唯一残念なのは、定員が5人なので、両親が上京した際、家族全員で乗れないこと。そんな時、7人乗りのクルマに乗り換えようかとも思います。子供の成長は早く、家族一緒に行動できる時期は、人生の中でそう長くはないでしょうから。悩ましいものです」

家作りの過程とカー・ライフから、クリエイティブで優しい柴田さんの人柄が伝わってきた。

文=ジョー スズキ 写真=田村浩章



■建築家:山田紗子(やまだすずこ)1984年東京都生まれ。慶應大学卒業後、東京芸術大学大学院を修了。建築家・藤本壮介の事務所勤務を経て、独立。本文でも触れた、独創的な発想で建てられた自邸「daita2019」で多くの建築賞を受賞。

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(ENGINE2023年2・3月号)

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