2023.02.04

CARS

ここがアルピーヌが生まれる場所! 1日15台! すべてが人間の手作業でつくられるスポーツカー、A110!! パリ〜レ・ジュリス〜ディエップを回って見えてきたアルピーヌの未来【後篇】

アルピーヌの聖地、ディエップの工場では、一日15台のA110が生産されている。

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アルピーヌ・ミュージアム

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さて、この後、そこから南に30分ほど行ったところあるヴィリー=シャティヨンのF1エンジン工場を見学したが、ここは元ゴルディーニの工場があったところで、今は500人の従業員がF1をはじめとするレーシングカーのエンジンづくりに日夜奮闘しているという情報にとどめて、先を急ごう。なにしろ、パリから北西に向けてバスで3時間近く走らなければ到着しないディエップこそが、アルピーヌの創設者ジャン・レデレゆかりの地であり、いまでもすべてのA110がここでつくられる聖地と言うべき場所だからだ。



ディエップの街の入り口には新旧アルピーヌが飾られている。

ディエップ工場の事務所棟。私たちの訪問時には、前にA110Sと限定車のA110GTジャン・レデレ、A110Rが並べられていた。

その街に着くと、入口のロータリーには新旧A110がアルピーヌのAの巨大なロゴとともに飾られていて、ここでアルピーヌが生れ、今もその工場があることが人々の誇りになっていることが窺われた。正式名称“マニュファクチュール、アルピーヌ・ディエップ・ジャン・レデレ”は、そこより少し手前の街の外れにあった。

A110の生産工場の外観と内部。



約300人が働くこぢんまりとしたこの工場では、1日15台のA110が生産されている。ボディの組み立てから塗装、アッセンブリーまで、すべてがこの中で行なわれるのだが、その作業を見ていると、たとえばボディ部門にある機械は1台のみで、あとはすべてが人間の手作業だ。ここでのタクト・タイムは45分。普通の工場では3分程度だから、一カ所で15工程くらいの作業が人間の手で行なわれていることになる。こうやって昔ながらの方法でつくられているからこそ、アルピーヌはどこか人の手の温もりを感じさせるのかも知れないと、眺めながら考えた。が、近いうちにここも近代的なEV工場に変身するのかと思うと、少し複雑な気分になるのは否めない。

最後にひとつ朗報を。工場とは別にディエップの街中にはレデレ氏が営んでいたディーラーの建物がある。現在、不動産業者の手にあるそこを買い戻して、アルピーヌ・ミュージアムをつくる計画が浮上しているという。ぜひとも実現して欲しい!

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=アルピーヌ・ジャポン/村上 政



(ENGINE2023年1月号)

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