2023.03.09

CARS

新型BMW7シリーズがすごいことになっている! 突き抜けた顔と豪華な室内はロールス・ロイスも真っ青!? ガソリン・モデルに試乗した!!

内燃機関モデルと電気自動車を同じボディで作り分けることにした新型7シリーズ。ガソリン仕様の740iにはEVのi7とは違うBMWならではの良さがあった。自動車ジャーナリストの森口将之がリポートする。

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「大きな3シリーズ」ではメルセデスに勝てない!

これまでの流れをいい意味で断ち切っている。新型7シリーズのデザインを見てそう思った。

否が応でも巨大なキドニー・グリルに目が行くボディは、顔を除けばシンプルで電気自動車専用モデルのiXとの近さを感じるし、水平に近いエンジン・フードやルーフ・ラインが描く典型的な3ボックス・スタイルは、ロールス・ロイスを思わせる。「大きな3シリーズ」というつくりでは宿命のライバル、メルセデス・ベンツSクラスを超えられないと判断し、SクラスとEQSを作り分けたメルセデスとは逆の道を選択。その結果、独自の存在感を手に入れた。いい決断だと感じた。



豊富なオプションが組み込まれたインテリアも、従来の7シリーズとは異なる世界観。iXのドライブ・セレクターやiドライブのダイヤルに使われたクリスタル素材がインパネやドアトリムにもおごられ、イルミネーションで彩られる。スピーカーを収めたメタルのパネルは組木細工のようだ。古典と前衛が絶妙に融合している。

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=5390×1950×1545mmに達し、ホイールベースは3215mmにもなる。ゆえにキャビンは広大で、後席は身長170cmの僕なら足を前に伸ばしても、前席の背もたれに届かないほどだ。

試乗車は740iMスポーツで、エンジンは3リッター直列6気筒ターボのマイルド・ハイブリッド。同じ排気量のディーゼル・エンジンを積む740dとフル電動のEVモデルであるi7はどちらもAWDなので、伝統の後2輪駆動を守る唯一の7シリーズということにもなる。





走りの第一印象は、ものすごくラグジュアリー。エア・サスペンションがもたらす乗り心地は、ふんわりという表現が的確で、Mスポーツとは思えないほどだ。おまけにスクエアで高めのボディは見切りがしやすく、4輪操舵のおかげで小回りも利くなど、実用性にも長けている。

静粛性も圧倒的で、381ps/53.0kgmを発生するストレート6の息吹は、流れに乗って走る限り、ほとんど伝わってこない。でもオープン・ロードに出てスロットル・ペダルを踏み込むと、控えめながらBMWならではのサウンドが届いてくる。スポーツ・モードを選べばサイズを忘れさせる身のこなしと、爽快な立ち上がりを味わわせてくれる。

これまでの流儀にこだわらず、ゼロベースでラグジュアリー・セダンを再定義した新型7シリーズは、あらゆるパワートレインを受け入れる懐の深さを持っていると思った。その中で僕たちが慣れ親しんできたBMWらしさにこだわるのであれば、740iMスポーツ一択となるだろう。

文=森口将之 写真=茂呂幸正



(ENGINE2023年4月号)

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