2023.03.14

CARS

プジョーがハイブリッド路線を拡大 PHEVに続いて、マイルド・ハイブリッドを投入

プジョーがトヨタRAV4やホンダZR-Vなどと同じCセグメント・サイズのSUVである「3008」と「5008」に新しいハイブリッド・モデルをフランス本国で追加した。

48Vのマイルド・ハイブリッド

これまで3008と5008にはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が設定されていたが、新型のハイブリッドは給電機能を持たない48V電源を用いたマイルド・ハイブリッド。1.2リッター・ガソリン・エンジンに48Vのモーターを組み合わせる。



ミラーサイクルの1.2リッターを採用

1199cc直3ガソリン・ターボは可変ジオメトリー・ターボとミラーサイクルで高効率化するとともにハイブリッドへの最適化を図った新世代ユニットで、最高出力136ps/5500rpm、最大トルク230Nm/1750rpmを発生する。また、メンテナンスコストを抑えるためにタイミングチェーンを採用している。

トランスミッションは、ハイブリッド専用設計のデュアルクラッチ式6段自動MT(DCT)。断絶のないトルク伝達を可能にするとともに、ハウジング内にモーターやインバーター、ECU(コンピューター・ユニット)を内包することでシステムを小型化している。モーターの最高出力は28psで最大トルクは55Nm。エンジンのアシストに加えて低負荷時のEV走行や減速時のエネルギー回生に使用される。トランスミッションに内蔵されたモーターのほかに48Vのベルト駆動式スターターを備える。



バッテリーは前席の下

駆動用バッテリーは総容量898Wh、実用容量432Whの48Vリチウムイオンで、室内や荷室のスペースを圧迫しないコンパクトなものだ。重量配分や重心高に配慮して左フロント・シート下に搭載され、ケーブルの長さに起因するエネルギー損失も抑えられているという。

このハイブリッド・モデルには、パワーフローや電動走行可能距離などを表示する専用ディスプレイや、30km/h以下での走行時に歩行者や自転車へ接近を知らせる音声警告システムなどが採用されている。



1.6リッター・ガソリンの代替ユニット

今回の48Vハイブリッドは既存の130psの1.6リッター直4ガソリン・ターボ+8段ATに代わるパワートレインとなり、208や2008、308、408にも順次導入が計画されている。もちろん、プジョー以外のシトロエンやDSなどステランティス・グループの中でも同じ1.6リッターを搭載する旧PSA系のモデルにも採用されるはずだ。

なお、3008と5008のハイブリッドは欧州市場では第2四半期に発売される予定になっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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