2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! CD値0.20の滑らかなスタイリングを持つメルセデスEQシリーズの最上級セダン! メルセデス・ベンツEQS450+に乗った九島辰也さん、桂伸一さん、小川フミオさんの3人は、思わず叫んだ!
宇宙船に乗っているような気分BEVモデルが急速に展開されるメルセデス。EQCから始まったそれはあっという間にフルラインナップに至り、広くマーケット・ニーズに応えるようになった。そのフラッグシップがEQS。EV専用設計のプラットフォームを採用する。よってスタイリングからドライビング・ポジションまでオリジナリティ全開。1500万円オーバーをスタートプライスにしながら5ドアハッチバックとなる。空力を減らした流線的なフォルムを必要とするからだ。そんなEQSの走りは上質そのもの。キャビンは恐ろしく静かで外界から遮断されるような感覚になる。そしてアクセルを踏み込むとスーッとタイヤが動き出し、アクセル開度に比例してグイグイ加速していく。EVならではの大トルクによる走り出しだ。が、それでもアクセルの微調整で加減速ができるのはさすが。この辺はクルマを熟知したメルセデスならではの緻密さ。ガソリン・エンジンを操るようなコントロール性を楽しめる。また排気音を模した独特のサウンドもかなり印象的。時に大排気量エンジン車に、特に宇宙船に乗っているような気分にさせる。(九島辰也)
無音はすなわち高級!水が流れるかのごとく……、BEVに乗る機会が日ごとに増している。そのなかでメルセデスの電気自動車EQシリーズはアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作性が、エンジン車やPHEVからの乗り換えでもヒトの感性に自然と溶け込む操作系の仕上げが上手い。アクセルを踏んだ瞬間に最大トルクを発生するモーターの性質上、過敏になりがちな加速特性を低速から静々と歩むほど滑らかに制御。ブレーキも踏んだ瞬間の減速Gの立ち上がりを穏やかに減速制御に移す感触も上手い。BEVは回生力を通常走行でいかに上手く使うかが電費に影響する。そこもEQは左右のパドル操作で減速と空走を自在に操る事を可能にする。EQSはCD値0.20の滑らかなスタイリングを持つ最上級セダン。高速域での風切り音、路面やタイヤからのノイズ類の遮音が見事で室内は静寂そのもの。3.2mのロング・ホイールベースと電制サスによりピッチングやスクワットなど姿勢変化を抑え込み、毛足の長い絨毯を踏む感触の凹凸の吸収性と、フラットな姿勢を崩さない走行性も優雅。無音は高級である。(桂伸一)

このクルマには2つの味がある
EQSはこっちの450+がいい。というのが、自動車ジャーナリスト仲間の評だった。これまでメルセデスAMGのEQS 53 4MATIC+しか乗っていなかった私としても、ドライブを体験してみて同感。適度に重厚で、ドライブして、いいかんじのキャラクターが感じられる。ピュアEVは、とうぜん、エンジン車とはすべてにおいて異なるわけだけれど、EQS 450+に乗ると、あ、これはメルセデス・ベンツだ、と笑顔になるぐらい、車体の動きや操舵感覚がナチュラル。そこが好きな私が、乗るひとに勧めたいのは、ドライブ・モードで「エコ」を選択すること。アクセル・ペダルを踏み込んだときの加速がややゆるやかになるので、加速がオンとオフと一本調子でなく、クルマと落ち着いて“対話”している感覚が味わえる。それで、自動車専用道を流していると、頭には、W126と呼ばれた、かつてのSクラスでのドライブの思い出が浮かぶのだった。加えて、デジタル技術は体験の価値ありで、新しさもふんだんに盛り込まれている。2つの味があって、なかなか“おいしい”。(小川フミオ)
写真=小林俊樹/郡大二郎/茂呂幸正/神村聖
(ENGINE2023年4月号)
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