2023.04.10

CARS

リッター25キロ・オーバーの燃費を楽々と出すルノー・ルーテシアE-テック・フルハイブリッドで、メディア対抗燃費チャレンジに挑戦!

横浜から松山まで800キロを走った燃費ははたして・・・

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長期リポート車のアルカナと同じ、ルノー肝煎りのフル・ハイブリッドを搭載した、ルーテシアE-テック・ハイブリッドで800kmに及ぶエコランに挑んできた。絞り出した往路の燃費もさることながら、驚いたのは何気なく走った帰路の数値だった。エンジン編集部の新井がリポートする。

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一路、萬翠荘を目指す

ルノーから「ルーテシアEテック・ハイブリッドでメディア対抗の燃費チャレンジ、いわゆるエコランを行うので是非ご参加ください」というお誘いを受けた。なんでも2022年にルノーは輸入車の販売台数で常勝のプジョーを退け、久々にフランス・ブランドの1位に輝いたのを記念して開催するのだという。ちなみに日本自動車輸入組合の資料を紐解くと、ルノーが最後に日本市場でフランス勢のトップに立ったのは1971年。つまり、51年ぶりの快挙ということになる。それはお祝いのひとつもしたくなって当然だ。

四国へは瀬戸大橋を利用した。児島と坂出の間に掛かる5つの橋はいつ見ても圧巻のひと言。その造形は巨大な芸術作品のように感じられる。

コースは神奈川県横浜のルノー・ジャポン本社をスタートし、愛媛県松山市にある国の重要文化財「萬翠荘」を目指すというもの。その距離は約800km! エコランとしてはなかなかの規模だ。さらに、賞品がかなり豪華なのもポイント。優勝媒体をフランスの取材旅行に連れて行ってくれるというのだ。

普段、同じEテック・ハイブリッドを積むアルカナの長期リポート車を担当する身としてはこんな魅力的なお誘いを断る理由はひとつもない。800kmを超える長い距離を一気に走るような機会はなかなかないし、アルカナとルーテシアの違いをじっくり検証することもできる。そして何より、アルカナとともに過ごした8カ月、8000kmの知見を活かし、もしかしたら優勝できるかもしれない(笑)。なんて淡い夢を抱きながら、諸手を挙げて参加を表明した。

今回のエコランは一斉スタートではなく、好きな日程や時間を選び、個別で挑戦する。時間制限は48時間以内で、燃費は車載の燃費計で計測。アルカナ同様、100km当たりの燃料消費量が表示されるので、一番少ない数字を出せば優勝となる。私は交通量が少なく、抜いたり抜かれたりをしやすい夜スタートを選んだ。

3つの走行モードのうち「エコ」を選択。ほかのモードよりペダルのストロークに対してスロットル開度が小さくなるので細かな調整が可能になる。

クルマは貸し出したときのままイジらない、フェリーには乗らない、牽引はしないといったルールの確認をしたのち、いよいよ萬翠荘を目指す。

アルカナで得た知見を活かして、なんてカッコいいことを言ってはみたものの、やることは基本的に内燃機関車でのエコランとほぼ同じ。急が付くことはせず、速度は一定。電気を節約するため、ナビ以外のアクセサリーは使用せず、空調もオーディオもオフだ。唯一、独特だと思うのはATのポジションを回生優先の「B」レンジに固定することくらい。

夜間は空いていて自分のペースがつくりやすいものの、かなりのハイペースで走るトラックも多く、好みの速度トラックを見つけては後ろに付いて伴走してもらうといった行動を繰り返す。ルーム・ミラーでカッ飛んでくるトラックに注意を払いつつ、先行車に詰まらないように前にも気を配り、さらに燃費計とエネルギー・フローの表示を切り替えて燃費の良さそうな走り方を探る。そうしているうちに萬翠荘へ到着。無事に800kmの挑戦を終えた。

萬翠荘は1922年に旧松山藩主の子孫、久松定謨伯爵が建てた別荘で、フランス・ルネサンス様式の建物は国の重要文化財に指定されている。

燃費や順位については、現在もほかのメディアの挑戦が続いており、結果発表も本誌発売後なので、詳細については来月の長期リポートで報告するが、けっこういい燃費が出せたと思う。フランスは無理かもしれないが、成田くらいには招待してもらえるかも(笑)。

萬翠荘前で燃費を報告し、4時間後には一路東京へ向かった。公共交通機関に頼らずルーテシアで自走だ。帰りは燃費のことは気にせず走った。空調を効かせ、ラジオももちろんオンだ。しかし、そんな状況にもかかわらず、燃費計の数字はずっと3リッター台をキープする。そして最後まで4の数字が表示されることはなかったのだ。正直に言うと往路で絞り出した数値よりもこっちの方に驚いた。特別な知識やテクニックがなくてもルーテシアEテックは簡単にリッター25kmが出る。リポート車のアルカナも同じだが、何も考えずに好燃費が出せてしまうのがEテックの本当にスゴイところだと思う。

文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦、ルノー・ジャポン(萬翠荘)

(ENGINE2023年5月号)

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