2023.05.14

CARS

「君はポーランドへ来るべきだ! ポーランドにはシトロエンの聖地がある!!」 ヤフオク7万円エグザンティアのオーナー、ウエダ、同好の士に会うために自腹ポーランド旅行を決行!?【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#18(番外篇その1)】

エグザンティアのデザイン・スケッチ。ベルトーネとシトロエンの共作と言われているが……。シトロエンのエンブレム、ダブル・シェブロンはまだ描かれていない。

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ポーランドってどこにあるの?

ポーランドという国のことで、僕が知っていることはほんとうに限られていた。たしかイタリアの近くだったっけ……というくらいの認識で、場所さえもあやふやだった。

実際はドイツの東側、そして日々ロシアとの戦争のニュースがもたらされているウクライナの西側の国だ。なぜ最初にイタリアが思い浮かんだかと言えば、過去にフィアット500とパンダの“FIAT 500 & PANDA”というムックを1冊まるまる編集した時に、フィアット126のことをいろいろと調べたからだった。126はイタリアだけでなく、ポーランドでライセンス生産されている。なお、その後2007年にデビューした3代目フィアット500も、兄弟車のフォードKaとともにポーランドで生産されている。


そのポーランドでなぜシトロエンの、しかもエグザンティアのイベントを開催するのか? francuskie.plに興味があるのだけど、というメールを送ってみると、すぐにこのウェブサイトの代表で、エグザンティアに乗っているというJedrzej Chmielewski(イェンドジェイ・フミレフスキ)さんから返信があった。僕はもちろんポーランド語は話せないし、彼も日本語を話せないが、ウェブ上でのAI翻訳の力と、お互いエグザンティア・オーナーという共通項のおかげか話が早い。ホントにいい時代になったものである。イェンドジェイは熱心ないちエグザンティア・ファンとして、このイベントを企画したらしい。後で聞いたのだが、francuskie.plとしては、まさかポーランドから遙か遠く離れた日本から問い合わせがあるとは思わなかったらしく、かなり驚いたそうだ。



イェンドジェイは僕のこの長期リポートも目を通し「君はポーランドへ来るべきだ。ポーランドにはいわばシトロエンの聖地があるし、日本とも関わりが深い」という。ポーランドのシトロエンの聖地って何のことだ? と思い、少し調べてみると、francuskie.plではシトロエンの創始者アンドレ・シトロエンと、ポーランドという国の繋がりについて、何本も記事を配信していた。

それによると、若きアンドレ・シトロエンがシトロエンのエンブレムである“ダブル・シェブロン”の元になったとされる、への字型のダブル・ヘリカルギアを最初に見た場所は、ポーランドの首都ワルシャワ郊外の町、Glowno(グウォフノ)だったというのだ!


2つの催し、2つの聖地

確かに日本語のシトロエンの本では「ワルシャワ郊外でギアを見て、それが結果的に後の自動車メーカーの創業に繋がった」という記述を見つけることはできるが、具体的な場所は書かれていなかった。洋書やウェブサイトで調べても、このことについては、francuskie.plの、Ryszard Olszewski(リサルト・オルシェフスキ)氏という歴史家の記事以外には発見できなかった。

シトロエンの起源、いうなればシトロエンの聖地がいったいどんなところなのか。こうして「ポーランドへ来るべき」というイェンドジェイの誘いは、僕の頭から、しだいに離れなくなっていた。


さらに1月下旬になると、シトロエン・エグザンティアのいちグレードであり、とびきり複雑なサスペンション・システムの名称でもある“アクティバ”乗りたちのオーナーズ・クラブが、生誕30周年を祝うイベントを開催することをSNS上で発表。日時は3月4日。会場は、これまたシトロエンの聖地ともいえる、フランス・パリ郊外で膨大な数の車両を保管しているミュージアム、シトロエン・コンセルヴァトワールである。



30周年という記念すべき区切りの年。ワルシャワとパリの2つのイベントと、2つの聖地。そしてわずか3日離れた日程……いくつもの要素がパズルのようにきれいに重なっていき、僕は2月中旬、気がつけば航空券を購入。2月27日、まずはポーランドを目指し、ひとり旅立つことになったのだった。


■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年4月時点までの整備の支払い総額は213万9326円)
導入時期 2021年6月
走行距離 15万9247km(購入時15万8970km)

文と写真=シトロエン/上田純一郎(ENGINE編集部)

(ENGINE WEBオリジナル)

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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